ZOZOがいきなり2000人追加採用でも雇用契約管理が破綻しないワケ:法務部門の脱Excel(3/3 ページ)
クラウド契約サービスによる契約業務効率化が注目を集めるが、実際に採用したユーザーはどう使っているか。異なる事業を展開する3社が、契約を変えたことでそれぞれの業務を大きく変革する。
契約アナリティクスが実現すると、何が変わるか
この他、秋以降の実装を前提に、紙の契約書を取り込む機能の開発を進めているという。その背景には「契約アナリティクス機能を強化する方針」(橘氏)がある。
契約アナリティクスのために、紙の契約を取り込む機能の開発を計画
クラウドサインには段ボールで運ばれた膨大な量の契約書をスキャンしてデータ化する「クラウドサインSCAN」というサービスがあり、既にネスレ日本などの利用実績がある。これをクラウドサインの「機能」として顧客自身がスキャンできるようにする計画だ。
新規の契約だけでなく、過去の契約書類の取り込みに注力するのには理由がある。契約全体の管理と分析をするには、過去の契約をデジタル化する必要があるからだ。
今後注力する予定の「契約アナリティクス」では、例えば契約書に含まれる「契約終了日の管理」などをデータとして保持して視覚化する。これに各契約が持つ「損害賠償の上限規定」の有無などの情報を掛け合わせてみることで、契約更新前に内容を精査して漏らさず対策できるようになり、契約見直しの機会を逃さないようにする狙いだ。また、なかなか定量評価しにくい法務部門の業務を可視化する機能も実装を検討しているという。
「契約アナリティクスはまだ十分に企業法務部門に浸透していない。Excel台帳管理の文化が強いが、法務のデータドリブン運営を推進していきたいと考えている。
この他セキュリティ対策ではG Suiteとのシングルサインオン連携を実装したり、他のツールベンダーとの提携を進めているところだという。直近ではRUCの契約書作成管理ソフト「Hubble」やGVA TECHの契約書分析サービスとの連携が発表され、注目を集めたが、現在もさらに「大型連携を仕込み中」(橘氏)だという。
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