グループウェアの利用状況(2019年)/後編:IT担当者300人に聞きました(2/2 ページ)
導入率9割に迫る勢いのグループウェア。後編では、グループウェアに求める機能を聞いたところ、利用者の4人に1人が求めている機能があった。これからのグループウェアに求められるものとは。
満足度は2018年より6.5ポイント減少、利用者に聞く“不満”の声
次にグループウェアを「導入済み」と回答した層を対象に、現在利用しているグループウェアの「満足度」を尋ねた。その結果19.8%が「満足」、45.2%が「やや満足」、26.9%が「やや不満」、8.1%が「不満」と回答しまとめると全体では65.0%が「満足」、35.0%が「不満」とする結果となった。この結果を2018年1月に行った同様の調査と比較したところ、全体で6.5ポイント満足度が下がっていた。中身を見てみると「やや満足」が前回より8.5ポイント減少する代わりに「やや不満」が6.3ポイント増加していた。
そこで「やや不満」や「不満」と回答した層にその理由についてフリーコメントで聞いたところ、「機能の中には使い勝手が悪いものもある」「操作ボタンの配置がよくない」といった使い勝手への不満が全体的に目立っていた。またリプレースを予定している企業の不満で多かったのが「PCでの利用を前提としているため、モバイルでの利用に適さない」「画面がスマートフォンに最適化されていない」「会社のポリシーにもよるが、個人のPCやスマートフォンでは利用できず、メールもスケジュールも確認できない」など、社外からでも情報にアクセスできることを求める声だった。現在、働き方改革に取り組む企業も増えてきたが、今後はますます場所を問わず利用できる情報共有基盤の整備が必要となってくるだろう。製品やサービスもこうした課題をいかに解決できるかが大きな選定ポイントとなってくると考えられる。
利用者の4人に1人が切望……これからのグループウェアに求める“2つ”の機能とは
多くの企業が共通して挙げる「情報共有」や「コミュニケーション活性化」といった重要課題を解決に導くツールの一つであるグループウェアだが、今、利用者が求める機能とはどういったものだろうか。まずグループウェアの機能に対して求めるものがあるかどうかを調査したところ、74.0%が「ない」、25.5%が「ある」と回答し、4人に1人がグループウェアの機能面で何らかの要望を抱えていることが分かった。
それではグループウェアの機能に求めるものが「ある」と回答した層の声を大きく2つに分類して紹介しよう。
1つ目は「クラウドサービスや他社グループウェアなどとのデータ連携」「汎用(はんよう)ソフトとの連携」「電子カルテとの通知機能の連携やシングルサインオン」といった他システムとの連携機能だ。社内情報共有だけにとどまらず他サービスとの連携によって活用の幅を広げたいというニーズだ。
2つ目は「社員情報の一元化」「入力した数値や文章のエラーチェックやエラーを通知する機能」「AIを取り入れた機能」「精密な音声および顔認識機能」といった新たな活用ニーズに応える機能だ。現在は従業員の行動履歴などの情報を収集し、一元管理するグループウェアも出てきている。また、AIと組み合わせることで入力情報の誤りを指摘したり、従業員が見い出せないような効率の良い働き方をグループウェア側から提示できるなど活用の幅が大きく広がっている。このような製品の進化も背景に従業員の顕在化した情報と潜在的な情報を収集し活用することで、より企業活動における全体最適を図ることができそうだ。グループウェアの今後の進化にも注目が必要だ。
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