「RPA」(Robotic Process Automation)シェア
IDC Japanは、「2018年 国内RPAソフトウェア市場シェア」を発表した。2017年度は、国内主要プレイヤーのNTTデータがシェアのトップを獲得したが、2018年度に外資系RPAベンダーが急伸した。2018年に、市場シェアはどう動いたのか。
IDC Japanの調査によれば、2018年の国内RPA(Robotic Process Automation)ソフトウェア市場(ベンダー売上額ベース)は、前年比成長率113.5%を記録し、市場規模は155億600万円だった。
2018年は2017年に引き続きオンプレミス市場が市場構成の大半を占め、金融や製造業を中心に市場が伸びた。
RPAの導入に関して短期的なROI(投資対効果)を追求するケースでは、2018年において、RPAの継続利用を中止する判断が下された。IDC Japanは、ユーザー企業が新たなRPAの導入および検討フェーズにシフトしたとみる。
2018年の国内RPAソフトウェア市場において、トップ5を占めたベンダーのシェアは図の通りだ。同市場は上位3社の合計がシェアの75.0%を占める。2017年の市場シェアと比較すると、1位のベンダーが2017年に引き続き成長を見せ、シェアの首位を維持した。また、外資系RPAベンダーの主要プレイヤーである2位のベンダーが、製品の日本語対応や従業員採用など日本市場への積極的な投資を行った結果、売り上げは著しく成長した。
IDC Japan ソフトウェア&セキュリティ リサーチマネージャーの飯坂暢子氏は「ITサプライヤーが寡占状況である同市場において優位性を維持するには、継続的なBPR(Business Process Re-engineering)および、RPAと機械学習、AI(人工知能)を組み合わせた高度な利用を顧客に対して啓発するとともに、競合対策を踏まえて中小企業などのRPA未導入顧客への戦略的アプローチをとるべき」と述べた。
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