「ネットワーク仮想化/自動化プラットフォーム」シェア(2018年)
国内の企業の間で、ネットワークの仮想化および自動化が進む。企業はどのベンダーのサービスを利用しているのだろうか。IDC Japanが2018年の売り上げ別市場シェアを発表した。
IDC Japanは、SDN(Software-Defined Network)などの実現に資する国内ネットワーク仮想化/自動化プラットフォームに関し、2018年におけるベンダーの市場シェアを発表した。
IDC Japanによれば、コンピューティングの仮想化および自動化に強みを持つヴイエムウェアが市場をリードした。2018年は、ネットワーク仮想化および自動化プラットフォーム市場を提供形態別で分類したNVO(Network Virtualization Overlay)ソフトウェア市場においてヴイエムウェアが72.6%のシェアを占めている(図1)。
IDC Japanはこの背景として、ヴイエムウェアの顧客がサーバ仮想化環境における仮想化および自動化の次のステップとして、VMware NSX Data Centerを活用したネットワーク仮想化の導入に進んでいることを挙げた。
また、シスコシステムズも、ネットワーク仮想化および自動化プラットフォームの提供形態の1つであるコントローラーアプライアンス市場で、61.7%のシェアを獲得し、国内ネットワーク仮想化および自動化プラットフォーム市場をけん引する(図2)。
IDC Japanは、その要因としてデータセンターネットワークの運用、構築の効率化や自動化を推進する中でCisco ACI(Application Centric Infrastructure)の採用が進んでいること、企業ネットワークの自動化を柱とするCisco DNA Centerの導入が加速していることを指摘した。
IDC Japanは、ヴイエムウェアとシスコシステムズが、ソリューション開発の面でも市場の動きをけん引しているとして、アジャイル開発やサブスクリプションモデルの積極的な採用に言及。IDC Japanでコミュニケーションズ グループマネージャーを務める草野賢一氏は「ネットワーク仮想化および自動化市場をリードしようとするベンダーには、ネットワーク分野におけるサブスクリプションモデルの有用性と活用方法の啓発活動が求められる」と述べる。
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