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特需の嵐が去った国内ITサービス市場、今後4年間の見通しは?

元号の改正に消費増税、「WIndows 7」のサポート終了に伴うクライアントPCの買い替え需要など、2019年の国内IT市場は多くの特需に恵まれた1年だった。その反動で2020年の成長率はやや鈍化するというが、国内ITサービス市場の成長率は今後どう変化するか。

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 IDC Japanが発表した「国内ITサービス市場予測」によると、同市場は2020年以降も堅調に成長し、2024年には6兆4262億円になる見通しだという。

4年ぶりに好調だった2019年、2020年以降の見通しは?

 2019年の国内ITサービス市場は、前年比成長率3.2%の5兆8558億円であった。2016年から2018年の3年間は前年比1%台から2%台前半と低成長が続いたが、2019年に入って既存システムの刷新および更新需要の拡大や消費増税前の駆け込み需要、「Windows 7」のサポート終了に伴うクライアントPCの買い替え需要、元号の改正に伴うシステム対応、消費税率変更に伴うシステム対応などの特需があったことで、4年ぶりに成長率が3%台の水準に上昇した。

 2020年は、2019年に立て続けに起こった特需の反動で国内ITサービス市場の成長率は鈍化するものの、老朽化したレガシーシステムの刷新やクラウド環境への移行、ITを活用した働き方改革や業務プロセス効率化の需要が2020年以降の同市場の成長を支えるようだ。2019年〜2024年の年間平均成長率(CAGR: Compound Annual Growth Rate)は1.9%で推移するとIDCでは予測する。


2019年〜2024年かけての国内ITサービス市場における支出額予測(出典:IDC Japan)

 市場の成長率だけでなく、国内ITサービス市場においてもう一つ大きな課題がある。人材不足の問題だ。ITサービス事業者は、人材の育成や市場価値に基づく報酬制度の導入など人材戦略を強化し、従業員一人一人のエンゲージメントを高めることが重要になる。IDC Japanの木村聡宏氏(ITサービス リサーチマネージャー)は、「組織のDXを推進する上で人材戦略の強化は不可欠であり、ITサービス事業者は従業員体験の向上に取り組むべきである」とコメントする。

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