打倒、紙・ハンコ文化でテレワーク実現となるか 複数社が提携、協業を発表
働き方改革やBCP対策としてテレワーク体制を構築しておくために、「紙・ハンコ」文化のハードルを越えなければならない。
テレワーク実現の障壁となっている「紙、ハンコ」文化。新型コロナウイルス感染症対策として多くの企業がテレワークに取り組んだが、「書類申請のためだけに出社しなければならない」という課題も挙げられた。今後バックオフィス業務のデジタル化、業務効率化はどう進んでいくのか。国内の調査結果や業界動向に関するリリースをまとめた。
バックオフィス業務のデジタル化、業務効率化リリース
- 「ハンコ押印、請求書処理のために出社」が40%超
- アナログ業務DXへ、LayerXがマネーフォワードや弁護士ドットコムと提携
- プロネクサスとブラックライン、決算・監査業務のDX支援で協業
「ハンコ押印、請求書処理のために出社」が40%超
クラウド型電子契約サービスを運営する株式会社E-STAMPは2020年4月23〜24日、従業員数300人以上企業に勤務している従業員420人を対象に「電子契約・電子請求書に関する調査」を実施した。同月27日に公表された結果によると、「電子契約と電子請求書をどちらも導入している」と回答した人は24.8%にとどまることが分かった。さらに、電子契約未導入企業に務めるテレワーク中の従業員40.9%は「緊急事態宣言中にハンコの押印が必要で今月出社した、もしくはする予定がある」と回答した。電子請求書未導入企業に務めるテレワーク中の従業員でも40.6%が「緊急事態宣言中に請求書の処理が必要で今月出社した、もしくはする予定がある」と回答した。
LayerXがマネーフォワード、弁護士ドットコムと提携
ブロックチェーン技術などを活用して業務プロセスのデジタル化を推進するLayerXは2020年5月22日、バックオフィス向けのSaaS(Software as a Service)などを提供するマネーフォワードとの業務提携を発表した。官民問わず多くの組織に残る紙やハンコ、FAXを使ったアナログ業務を改善することが目的だ。業務プロセスの電子化・デジタル化や会計システムの連携などで企業を支援したいとしている。
また、LayerXは2020年5月13日に、Web完結型クラウド契約サービス「クラウドサイン」を提供する弁護士ドットコムとも業務提携したことを発表している。業務設計およびシステム開発をLayerXが担い、組織ごとに必要となるAPIや署名技術などについてクラウドサインと連携して技術開発を進めることで、異なる組織規模や環境に対応する電子契約の導入と運用を目指している。
プロネクサスとブラックライン、決算・監査業務のDX支援で協業
クラウド型決算プラットフォームを提供するブラックラインは2020年5月13日、開示書類作成支援システムを提供するプロネクサスとの協業を発表した。両社は経理部門における監査業務のデジタル化によって、決算から開示までのプロセスのデジタル化や効率化を目指すとし、連携ソリューション開発および販売促進に取り組むという。
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