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紙業務の減少がコロナ禍の“功罪”となるか、最新プリント市場予測

IDCは国内オフィス/ホームプリント市場への新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響予測を発表した。コロナ禍による影響で大幅な減少が予測されるプリント市場だが、コロナ禍収束後も市場の持ち直しは難しいと予測される。

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 IDC Japan(以下、IDC)は2020年5月26日、国内オフィス/ホームプリント市場への新型コロナウイルス感染症の影響予測を発表した。多くの企業でテレワークが導入され、ワークフローのデジタル化が進められた結果、“紙”の利用量が大きく変化している。

コロナで“紙”市場に大打撃、市場支出額20.9%減少

 IDCは、新型コロナウイルス感染症の影響で、2020年の国内オフィス/ホームプリント市場の支出額は大幅に減少するとみている。ハードウェア保守支出やプリント関連ビジネス支出など全てを含んだ2020年の国内オフィス/プリント市場支出額は、2019年比マイナス20.9%の1兆2550億1400万円になると同社は予測する。

 内訳をみると、2020年のハードウェア購入支出の予測額は2019年比マイナス17.1%の4180億9000万円だ。その理由は、中国における生産、物流の停滞と緊急事態宣言発令による国内景気の落ち込みが、プリントハードウェアの出荷に大きくマイナスの影響を与えるためだ。加えて、テレワークを実施する企業が増加したことで、オフィスにおけるページボリューム(プリンタや複合機からの出力されたページの総数)が大幅に減少、それに伴ってページボリューム関連支出額も大幅に減少し、2019年比マイナス23.0%の7877億1200万円となると予測している。

 ちなみに、2019年の国内オフィス/ホームプリント市場の支出額全体は、2018年比1.0%減の1兆5859億1800万円だった。その内訳は、ハードウェア購入支出が5041億4000万円(全体の31.8%)、ハードウェア保守支出が28億1300万円(同0.2%)、ページボリューム関連支出が1兆225億8800万円(同64.5%)、プリント関連ビジネス(ソリューション)が422億300万円(同2.7%)、プリント関連ビジネス(アウトソーシング)が141億7500万円(同0.9%)だった。なお端数処理の影響で合計値の末尾は一致しない。

 IDCによると、コロナ禍の収束が期待されている2021年には国内景気の回復と全社的なテレワークの減少も予測されているものの、ワークフローのデジタル化は協力に推進され、紙を使った業務は大幅な減少を続けるという。2020年に大幅に減少した国内オフィス/ホームプリント関連市場は2021年に揺り戻し的に回復を見せるものの、元の水準に戻ることはなく、再び減少傾向に転ずる。IDCでは、国内オフィス/ホームプリント市場の支出額全体の2019〜2024年における年間平均成長率はマイナス4.2%となり、2024年には支出額が1兆2774億5400万円になるとみている(図)。

国内オフィス/ホームプリント市場 支出額予測、2018〜2024年(出典:IDC Japan)
国内オフィス/ホームプリント市場支出額予測、2018〜2024年(出典:IDC Japan)

 IDCの石田英次氏(イメージング、プリント&ドキュメントソリューション グループマネジャー)は「COVID-19収束後には、紙によるワークフローをデジタル化する動きが一気に加速する可能性が高い。プリント機器ベンダーは、COVID-19後の新たな働き方のビジョンを示すとともに、新しい働き方を支援するソリューション/サービスを提供すべきである」と指摘する。

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