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「ハンコ出社」撲滅なるか、Dropboxが提案する脱ハンコ機能とは

Dropbox Japanは、2020年の注力機能を発表した。新たに提供する電子署名サービスでは、社外の取引先がユーザーかどうかにかかわらず電子署名の利用ができるという。

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 Dropbox Japanは2020年6月11日、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の感染拡大を受け、クラウドストレージサービス「Dropbox」と電子署名サービスの連携を強化すると発表した。同日に開かれた記者会見でDropbox Japanの五十嵐光喜社長は「コロナ禍ではハンコを押すために従業員が出社してしまい、テレワークを中断することがあった。紙への押印手続きを電子化し、企業のテレワーク実現を支援したい」と話す。

 同社の2019年におけるグローバルの実績は、収益が前年比19%増の16.6億ドル、有料ユーザー数は1430万人となり、前年の同期と比べて160万人増加した。無料ユーザー数は6億人を超えているという。2019年は流通や小売業など導入分野を拡大したことや働き方改革の啓発活動が功を奏したと分析する。

 また、コロナ禍によって多くの企業がテレワークに移行したことを受け、2020年3月以降、ビジネスユーザー向けや個人およびプロフェッショナルに向けたライセンスともにユーザー数が増加している。

 同社は利用者増加を受け、Dropboxの管理者機能のさらなる強化やデータガバナンスの向上に注力すると発表した。管理者機能の強化としては、管理コンソール画面からチームメンバーの利用状況の推移をアップロード、ダウンロード、編集、プレビュー別にグラフで見ることができる。


管理コンソール画面(出典:Dropbox Japan)

 データガバナンスの向上では、ユーザーが過去10年間に保管したファイルの変更履歴を無制限で保管するサービスや、チーム管理者が法的ホールド(訴訟ホールド)に設定したメンバーが作成または変更したコンテンツ全ての表示とエクスポートできる機能を提供する。


データガバナンスの向上(出典:Dropbox Japan)

 さらに、新製品「HelloSign」を提供すると発表した。HelloSignとは、米Dropboxが2019年に買収した米HelloSignの電子署名サービスで、紙とハンコによる手続きを電子化できる。既に米国では提供を始めており、「国内では今夏の提供を予定している」(五十嵐氏)という。

相手が非ユーザーでも電子署名での取引が可能に

 DropboxとHelloSignを連携させることで何ができるのだろうか。

 Dropboxで作成したドキュメントもしくは保管されているドキュメントを、社内外に共有し、担当者に電子署名を依頼できる。法的拘束力のある署名のリクエストや、Dropboxユーザーではない外部企業への電子署名の依頼も可能だ。署名済みのドキュメントは全てDropboxで保管されるため、検索や閲覧も容易だ。


新製品 HelloSign(出典:Dropbox Japan)

 同機能を既にリリースしている米国では、HelloSignをリリース後、Dropboxを経由した電子署名の依頼が従来より3倍増加したという。「一連の作業をシームレスにつなげられる点や変更履歴の保全保持もできる点がクラウドストレージならではの魅力だ」(五十嵐氏)。同社は今後も電子署名サービスとの連携は進めていくとしている。

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