テレワークで人事評価に不安 部下を正しく評価できているか悩む上司
パーソルプロセス&テクノロジーが実施した「テレワーク中の評価に関する意識・実態調査」によると、テレワークの頻度は週3日以下が6割超、テレワークの経験が浅いほど自身の人事評価に不安に感じていることが分かった
パーソルプロセス&テクノロジー(以下、パーソルP&T)は2020年12月10日、3カ月以上テレワークを継続している500人の会社員を対象に実施した「テレワーク中の評価に関する意識・実態調査」の結果を発表した。調査によると、テレワークによって自身の人事評価に不安を感じている人が4割超を占め、自身の評価よりも部下を正しく評価できているかに不安を感じている管理職の割合は5割を超えていた。
上司の方が「やりにくさ」を感じている
まず、回答者のテレワークの頻度は週の半分以上を出社している割合が6割以上だった。詳細を見ると、週に1日程度が29.8%、週に2〜3日程度が33.8%で、「基本的には全てテレワーク」と回答した割合は21.6%だった。
次に、業務の進捗(しんちょく)確認について聞いたところ、上司の方がよりやりにくさを感じていることが分かった。具体的には、一般社員に「上司への進捗報告」業務について尋ねると、「やりにくくなった」と回答した割合は9.2%、「どちらかというとやりにくくなった」は26.8%、「やりやすくなった」は7.2%、「どちらかというとやりやすくなった」は16.8%だった。一方、管理職に「部下への仕事の指示出しや進捗確認」を聞くと、「やりにくくなった」と回答した割合は11.2%、「どちらかというとやりにくくなった」は38.0%、「やりやすくなった」は5.2%、「どちらかというとやりやすくなった」は29.6%だった。
「自身の人事評価に不安」、テレワークの開始時期が影響
人事評価については、テレワーク環境下で不安を感じている人が多いようだ。テレワークの実施に伴って人事評価の仕組みが変わったかどうかを聞くと、60.0%が「変わっていない」。それに対して「変更を予定している」は15.6%、「新しい仕組みに変更された」は6.0%だった。
こうした状況下で、自分の評価が正当にされているか不安だと感じたことがあるかどうかを聞いたところ、不安を感じている割合が42.6%を占めた。
これを、テレワークの開始時期別に見ると、テレワークの経験が浅いほど不安に感じる人の割合が高かった。具体的には、3カ月くらい前からテレワークを始めた人の64.0%が不安に感じていたのに対して、新型コロナウイルス感染症の感染拡大前から実施していた人のうち不安に感じている人の割合は31.6%だった。
一般社員と管理職を分けてみると、管理職の方が自身の評価に不安を感じている人の割合が高く、管理職は自分の評価よりも部下に対して評価できているかどうかに不安を感じていることが分かった。具体的には、自身の評価に不安を感じている人の割合は、一般社員の39.6%に対して管理職は45.6%。部下を正しく評価できているか不安に感じている管理職の割合は53.2%だった。
一方、労働時間について尋ねると、テレワークによって1日の仕事終わりが分からず長時間労働になった経験があると回答した割合は58.0%だった。勤務状況を可視化するツールの利用意向については、サービス残業や未申告の休日業務との乖離を把握する「労働時間の乖離把握ツール」を一般社員の45.6%、管理職の61.2%が利用したいと考えていた。また、業務ソフトの稼働や、キーボードとマウスの入力状況が把握する「仕事実態の可視化ツール」については、一般社員の21.2%、管理職の29.6%が利用したいと考えていた。
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