介護業界は少子高齢化による人手不足や非効率な事務作業、職員同士のコミュニケーション問題、情報共有不足といった課題を抱えており、それらが高い離職率の一因となっている。こうした課題の解決に向けて介護事業者の団体である全国介護事業者連盟は、ロボット活用を推進してきた。だが、それだけでは人手不足は解消しないとして、新たな対策に乗り出した。
介護業界のDX、何ができれば離職を防げるのか
Chatworkは2021年1月7日、同社のビジネスチャット「Chatwork」を全国介護事業者連盟が導入したと発表した。同連盟ではChatworkの導入によってコミュニケーションや情報共有の効率が向上し、団体運営の円滑化が実証されたという。
Chatworkは介護の現場にビジネスチャットを導入する利点として「スタッフ間の連携強化」や「利用者情報のスムーズな共有」「残業時間の削減」を挙げる。円滑な人間関係の構築によって離職を防止し、ペーパーレス化や「生活機能向上連携加算」「緊急時訪問介護加算」といった介護報酬加算につなげることも可能だとしている。
同社は今後、全国介護事業者連盟と連携して介護業界でのChatwork導入を加速させ、DXを推進するとしている。
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