最新版の「Box Shuttle」はクラウドシフトの救いの手となるか?
Box Japanは「Box Shuttle」を刷新する。オンプレミスシステムやクラウドとの各種コネクタを備え、ペタバイト規模のデータ移行を可能とする。
ペタバイト規模のデータ移行も可能なBox Shuttle
クラウドシフトは、企業において優先課題の一つとなっている一方で、コンテンツの移行の複雑さと移行にかかるコストが障壁となっている。その中、Box Japanは2021年3月3日、「Box Shuttle」を刷新すると発表した。Box Shuttleは、データをBoxに移行するためのサービスだ。アクセス権限の設定や、大規模データの移行が可能だ。
Box Shuttleは、ペタバイト規模のデータ移行を可能とし、オンプレミスのシステムやクラウドとの各種コネクターを備える。例えば、「Microsoft SharePoint」や「Microsoft OneDrive」「Google Workspace」「Egnyte、Documentum」「OpenText」「FileNet」といったシステム向けのコネクターがあらかじめ用意されている。
Box Shuttleによるデータの移行中に、データ所有者やアクセス権限の変更が可能だ。既存のメタデータやファイルのバージョン履歴も継承できる。
データの移行中は、独自のアルゴリズムによって、ネットワーク使用率とAPI使用量を自動的に最適化してアップロード速度を向上させる。1日当たり数百テラバイトの移行が可能だ。データ移行中には、移行レポートをリアルタイム表示するなど進捗(しんちょく)を把握できる。
Boxの共同創業者兼CEOを務めるアーロン・レヴィ氏は、「この1年で働き方改革が進み、クラウドへの移行がこれまで以上に重要になった。当社は、顧客が従来のシステムからBoxに情報を移行する際、シンプルで迅速、かつコスト効率の高いものにしたいと考えている。新しいBox Shuttleは、複雑で大規模なコンテンツ管理環境でも、これまで以上に低コストで速やかな移行を可能にする。より多くの重要なデータをBoxで管理することで、組織内外のコラボレーションがより効果的になり、DXへの取り組みを加速できる」と述べている。
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