みんなの銀行が「クラウドERP」導入に踏み切った理由
「ERPはオンプレミス」はもう過去の話だ。企業は短期導入や運用負荷軽減といったメリットに関心を寄せ、ERPもクラウド化が進みつつある。みんなの銀行もその“波”に乗った1社だ。
みんなの銀行は、口座開設からATM入出金、振込までをスマートフォンで完結できるデジタル銀行。同行は、外部環境の変化への柔軟な対応を目的に「Oracle Fusion Cloud ERP」で次世代のデジタル会計基盤を構築した。
なぜ、Oracle Fusion Cloud ERPなのか?
みんなの銀行は、従来の枠組みに捉われることなくデジタル時代の新しい銀行を目指し、銀行システムをクラウドで運用している。今回、Oracle Fusion Cloud ERPを導入した背景について、同行の永吉健一氏(取締役副頭取)は次のように述べる。
「バンキングシステムと連携する会計基盤は、常に最新技術のメリットを享受でき、外部環境の著しい変化に対応できるSaaS(Software as a Service)を必要としていました。『Oracle Fusion Cloud ERP』を採用することで、勘定系システムの負荷軽減を図るとともに、経営戦略を支えるデータドリブンな会計基盤の実現を図りました」。
みんなの銀行は、Oracle Fusion Cloud ERPで新たな会計基盤を構築したことで、運用や保守コストの低減をはじめ、90日ごとの機能アップデートによって最新技術を利用できるといったメリットに期待を寄せる。今回、総勘定元帳を会計システムに集約したため、勘定系システムに影響されずに会計制度の変更に対応できるようになった。今後、新たな金融サービスを展開する際も、開発コストを抑えながらも迅速に実行したいとしている。
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