デジタルワークスペースとは? Web会議ツールや仮想オフィスとの違いを解説:IT用語3分リーディング
オフィス分散を背景に導入が進む。場所やデバイスに依存しない作業環境を提供するツールがある一方で、新たな動きも見られる。
- デジタルワークスペース注目の背景
- 何ができるのか、製品概要
- 関連用語
デジタルワークスペースとは、ユーザーの場所やデバイスに依存しない業務環境を提供するツールを指す。非対面コミュニケーションの質を向上させ、対面とは違った価値を提供する。
DXとオフィス分散化への急激なシフトをきっかけに検討が進み、メタバースブームに乗ってよりインタラクティブな業務環境を提供するサービスに注目が集まる。
デジタルワークスペース注目の背景
コロナ禍をきっかけに急激なテレワークシフトが起き、セキュリティとコミュニケーションの課題が顕在化した。
セキュリティの課題はペーパーレス化や安全な通信環境の構築、アクセス管理、デバイス保護など、各種セキュリティソリューションの活用が進んでいる。一方でコミュニケーションへの対処は遅れが目立ち、従業員のメンタルヘルスに関する課題が深刻化している。
「Zoom」をはじめとするWeb会議ツールがオンサイトコミュニケーションの代替手段として急激に普及したが、カメラで顔を映しながらの音声通話のみでは対面ほどの情報を得られない。今後、ハイブリッドワークが定着して対面と非対面のコミュニケーションが必要になることを見越して、共有できる情報量に格差の出ない仕組みが必要だ。それらを背景に、対面と非対面のメリットを取り込んだ新しい就業環境としてのデジタルワークスペースが注目を集める。
何ができるのか、製品概要
例えばNTTデータの「BizXaaS Office」やVMwareの「VMWare Workspace ONE」はデバイス管理やユーザー管理、アプリケーション管理、デスクトップ管理などの機能を提供する。サーバ側でアプリケーションを実行してユーザーには仮想デスクトップを提供するため、デバイスに依存せずに業務に当たれる。
Meta(旧Facebook)が2021年8月に立ち上げた「Horizon Workrooms」は、メタバースを活用したデジタルワークスペースだ。ユーザーはVR(仮想現実)空間内でミーティングやPC作業といったオフィス業務に当たり、アバターを介して他のユーザーとコミュニケーションをとる。アバターによってボディランゲージや表情など、言語以外でのコミュニケーションも可能にした。Microsoft もメタバース対応として同年11月に「Mesh for Microsoft Teams」を発表した。いずれも、従来の「ワークスペースをユーザーのデバイス上に提供するもの」から「仮想ワークスペースにユーザーを招待するもの」にサービスの形態が変化していると言える。
関連用語
現実の拡張や仮想的な交流の場として類似のフレーズは多い。一部の機能や概念は重複するが、以下は主に用途から見た用語の違いを解説する。
メタバースとの違い
メタバースはデジタル上の仮想空間やそれを構築する技術を指す。ユーザーの交流から現実のビジネスを開拓するニュアンスを持ち、デジタルワークスペースとの共通点は多い。
仮想オフィスとの違い
仮想オフィスはオフィスを模した仮想空間のマップに従業員のアイコンやアバターが配置されることサービスで「出勤中」や「休憩中」「ミーティング中」など、執務ステータスを明示することで従業員コミュニケーションを円滑化する。Web会議やファイル共有などビジネスに必要な機能との連携が可能なものも多い。
Web会議ツールとの違い
Web会議ツールは画面共有と音声通話によるコミュニケーションを提供する。対面での対話の代替策としてコロナ禍以降普及したが、カメラ映像と音声以外のビジネスに必要な情報の共有や、対面と非対面が混じったハイブリッド会議におけるコミュニケーションに課題があり、メタバースや仮想オフィス、デジタルワークスペースの需要につながった。
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