業務委託のIT人材需要、2021年は対前年比5割増
システム開発需要の拡大から特に医療・バイオやEC関連の案件が増加し、業務委託を募った企業数は対前年比約5割増となった。
レバテックは2022年1月18日、「2021年の企業の業務委託IT人材活用動向」を発表した。同社が運営するフリーランスITエンジニア向け案件紹介サービスで2021年に業務委託のIT人材を募った企業の傾向を分析した。
業務委託案件、企業の設立年数を問わず増加傾向へ
業務委託案件を出した企業の対前年増加率は、2020年が約1割増だったのに対して、2021年は約5割増となった。レバテックは、新型コロナウイルス感染症が落ち着きを見せたことや、システム開発需要が拡大したことが要因だと推測する。
業種別に見ると、「医療・バイオ」「機械・電気製品」「小売」「中間流通」「運輸」で、案件を出した企業の数が前年と比べて3割以上増加した。中でも、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)で需要が拡大したEC関連の案件発生企業数は大幅に増加した。
「医療・バイオ」は、COVID-19への対応が急がれていたことから、ITシステム開発の需要が増えた。医療機関向けのIT補助金などもあり、対前年比約5割増だった。「小売」「中間流通」「運輸」は、巣ごもり需要によってECや個人間取引の活発な状況が続いたことが影響した。特に「中間流通」は、前年よりも約7割増えた。これに対して「建設」は約1割減となった。
一方、企業の設立年数別に見ると、2021年は設立年数を問わず業務委託案件を出した企業の数は増加した。2020年は、設立後19年以下のスタートアップやベンチャー企業では案件を出した企業数が増えていたのに対して、設立後30年以上の企業では減少していた。
こうした結果を受けてレバテックは、2021年はCOVID-19が収束しはじめたことや、大手企業のDX(デジタルトランスフォーメーション)が活発になったことから、業務委託案件を出した企業が増加したと分析する。同社は今後、DXの活発化でエンジニアの需要が高まると同時に、短い期間でDXへの対応が求められると見ており、即戦力となるフリーランスを活用する企業が増えると予測する。
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