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4人に1人“自分はDXと関係ない” 「若手に置いていかれそうで怖い」と焦る中間管理職

JCDのワーク・モチベーション研究所は、「DX時代の課長調査」の結果を発表した。業務の中でDXを推進している割合は6割以上を占めた。“自分の仕事はDXと関係ない”と感じる課長も一定数いる中、DXを業績に結び付けるには部門間交流も重要であることが分かった。

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 近年、デジタルトランスフォーメーション(DX)推進に取り組む企業が増えていることを背景に、JTBコミュニケーションデザイン(以下、JCD)のワーク・モチベーション研究所は2022年4月21日、「DX時代の課長調査」の結果を発表した。全国の課長層1000人を対象にした調査で、DXの推進にどのように取り組み、何に困っているのか、また課長という役職への意識などについて調べた。

課長の4人に1人が「DXと無関係」 DXの困りごと、相談先は「ネット検索」

 調査の結果、業務の中でDXを推進している割合は6割以上を占めた一方で、「自分はDXと関係ない」と感じている回答者が4人に1人の現状も明らかとなった。自由コメントでは、自身の勤務先でのDX推進に関して「DXとは何? というレベルで、ついていけない」「コロナ禍において資金に余剰がない中、新規分野への出資が理解を得づらい」といった悩みや不安が寄せられた。


勤め先の会社のDX推進に関する悩みや不安(出典:JCDのプレスリリース)

 DXとの関わりについては、「業務の中でDXを推進している」との回答が最も多く、60.7%を占めた。その一方で、「自分の仕事の性質上、DXは関係がない」と回答した人の割合も25.4%に及んだ。これに対して「管理職の役割として、DXにはしっかり取り組むべき」との回答は65.0%を占めた。


DXと自分の仕事の関わり(出典:JCDのプレスリリース)

DXへの意識と課長としての注力状況(出典:JCDのプレスリリース)

 DXに関して困っていること(複数回答)では、「DXに関する知識やスキルを身につけていない」と回答した人が最も多く、38.1%を占めた。次いで、「DX推進を、具体的にどう進めればいいかが分からない」が25.2%、「DXの知識やスキルを持った人材が不足している」が24.6%、「本来の業務で忙しく、DXまで手がまわらない」が24.1%、「部門によって温度差があり、足並みがそろわない」が16.2%だった。


DXに関して困っていること(出典:JCDのプレスリリース)

 こうした困りごとへの対処法としては、「インターネットで検索して、解決策を見つける」との意見が44.6%(複数回答)で最も多く、次いで、「社内のDXやデジタル関連の部門に聞く」(30.3%)、「DXやデジタルに詳しい部下や同僚に聞く」(22.6%)が挙がった。

 変化の激しい現代に課長という役職にいることについては「責任を感じる」との回答が46.0%を占めた。他には「チャンスである」(23.4%、複数回答)や、「もっと昇進していたかった」(16.3%)という前向きな意見が聞かれた半面、「自信がない、不安である」(17.5%)という弱気な意識もあった。

 「新入社員として人生をやり直すとしたら」との問いには、人生のやり直しに多様な希望があることが分かった。具体的には、「家庭や趣味を大切に、マイペースの人生を送りたい」が42.3%(複数回答)、「知識や技術を身につけ、専門家として高みを目指す人生を送りたい」が31.8%、「安定した組織で、安心して仕事をしたい」が26.8%、「新しい事業や商品で社会を変えるような、革新的な仕事がしてみたい」が18.0%だった。

 なお、会社の売上や業績とDXの施策との相関を調べると、業務の効率化や部門間の交流、ビジネスモデルの変革との相関が高かった。DXという言葉から想像しやすい業務の効率化やビジネスモデルの変革だけでなく、部門間の交流も重要なようだ。

 JCDでは、例えば全社横断的なコミュニケーションイベントや社員総会、知識やスキルを学びながら情報を共有できるラーニングイベントの開催など、部門を横断して交流できるオンラインやリアルでの場づくりで社内コミュニケーションを活性化させることが、DXを業績につなげる要になると分析している。

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