クラウド利用でネットワーク負荷増 SD-WANを導入したミツカンの「4つの選定要件」とは
クラウドサービスの利用拡大やコロナ禍が原因で業務に支障を来すほどの遅延が発生するなど、ネットワークの逼迫が課題となっていたミツカン。SD-WAN導入で解決したというが、その際に重視した3つの要件とは何なのだろうか?
1804年、酒粕を原料にしたお酢の製造から事業をスタートさせた食品メーカーのミツカングループ(以下、ミツカン)。同社は社外とのコラボレーションの一環として、「Microsoft 365」をグループ全体で導入したところ、クラウドサービスを利用するユーザーが増加し、ネットワークが逼迫(ひっぱく)してしまう課題に悩まされていた。加えて、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)への対応に伴うWeb会議の利用も拡大し、業務に支障を来すほどの遅延が発生していた。
ミツカンはこれまで既存回線の増強で対応してきたが、迅速な対応が難しく柔軟性に欠け、コストが割高になるなどの問題があった。そこで、今後の需要増も見越してSD-WANの採用を検討することにしたという。
ミツカンがSD-WAN選定で定めた4つの要件とは
ミツカンはSD-WANを選定するに当たって次の4つの要件を定めた。
1つ目は、迅速で簡単に導入できること。2つ目は、トラブルにすぐに対応できるようネットワーク状況を可視化できること。3つ目は、適正なコストであることだ。4つ目はGUIが分かりやすく直感的な操作が可能で、表示や設定項目が、同社が必要としている情報と一致していること。
これらの要件に見合うソリューションとして、ミツカンは日本ヒューレット・パッカードのSD-WAN「Aruba EdgeConnect」の導入を決定した。導入を支援したマクニカが2022年6月28日に公表した。
導入後は、セキュリティを確保しつつネットワークの逼迫を解消でき、遅延などのトラブルを解消できた。Web会議については、画質と音質が向上し、開催中のWeb会議に後から問題なく接続できるようにもなったという。さらに、通信を可視化し、トラブルに自社内で対処できるようになったという利点もある。
今後ミツカンでは、SaaS(Software as a Service)の利用拡大を見越して、Microsoft 365以外のクラウドサービスについても、各拠点から直接クラウドサービスにアクセス(インターネットブレイクアウト)できるようにする予定だ。さらに、よりスムーズでセキュアなネットワークアクセスに向けて、統合認証基盤「Aruba ClearPass」を使ったWANとLANの融合も検討する。
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