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休日でも私たちが仕事に意識を捕われる理由

Fishbowlが発表した調査によれば、回答者の54%が「有給休暇中でも仕事から完全に離れることができない」としている。どのようなプレッシャーがあって、仕事に意識が向いてしまうのだろうか。

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HR Dive

 Glassdoor傘下のソーシャルプラットフォームFishbowlが発表した調査(注1)によれば、多くの専門職にとって、休みと仕事を切り離すことは依然として困難のようだ。調査では回答者の54%が「有給休暇中でも仕事から完全に離れることができない」としている。

 「仕事から離れることができない」と回答したのは高い年齢層に多く、45歳以上では65%、41〜44歳では61%だった。一方、21〜25歳の回答者の47%が、「完全に仕事から離れることができるとは思わない」と答えている。職業別では、「完全に仕事から離れることができない」と回答したのは、教員と法律家が多かった。

なぜ休日も頭から仕事が離れないのか

 Fishbowlによれば、仕事から離れられないと感じる理由は、「常にオン」の職場文化、有給休暇の不足、休暇を取ることがキャリアアップに影響するのではないかという不安など、さまざまだ。「休暇後に仕事に追われないようにするために、メールチェックなどのタスクをこなす必要性を感じている」という意見もあった。

 仕事の多くの側面と同様に、有給休暇もパンデミックの影響を受けた。人事プラットフォームNamelyのデータによると、2020年の4〜5月にかけて、有給休暇の申請が急激に減少した(注2)。その結果一部の人事チームは、人員配置レベルに悪影響を与えることなく、従業員が年内に有給休暇を取得できるように急いで差配した(注3)。

 この展開は、燃え尽き症候群の高まりと同時に起きた。2020年のVisierの調査によれば、89%の回答者が調査実施前の1年以内に燃え尽き症候群を経験し、回答者の3分の1は「休暇中にチェックインしなければならないというプレッシャーを感じる」と答え(注4)、半数は「完全に仕事から離れることができない」と答えている。

 「仕事と家庭生活の融合」(注5)は、テレワーカーの問題をさらに顕著なものにしており、人事担当者は彼らのメンタルヘルスの課題に直面することもある(注6)。

 このような要因が重なり、一部の企業は休暇をサポートする正式なルールを採用するようになった。2022年の初め、Googleは出産する親およびしない親、介護者の有給休暇を拡大し、休暇の最低日数も従来の15日から20日に増やした(注7)。Fishbowlのレポートでは、無制限の有給休暇ルールへの関心が示されているが、そのようなルールは独自の問題をはらむ可能性があるという(注8)。

 フレックスタイム制は、ワークライフバランスの悩みをさらに複雑化する可能性がある。Microsoftの社内分析によると、同社のテレワーカーの中には、夕方以降に時間外労働が増える「トリプルピーク」の日を経験している従業員がいることが分かった(注9)。

 マーケット大学法学部の教授の一人は、従業員が従来の勤務時間が終了した後に「仕事を切り離す権利」を持つことに言及した(注10)。バーンアウトは、これに関連する幅広い議論を引き起こしている。少なくとも米国の司法管轄区であるニューヨーク市では、勤務時間外に電子通信を切断する労働者の権利を保護するための法案が検討されている(注11)。

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