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ハイブリッドワークと人材獲得の両方に成功するため、避けるべき3つの考え

ハイブリッドワーク前提の人材獲得競争をする際、雇用主や管理職、人事が「避けるべき間違った考え」が存在するという。人事領域の専門家が3つのポイントに分けて語った。

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HR Dive

 ハイブリッドワーク前提で人材を獲得したい雇用主や管理職、人事が陥りがちな誤解を、人事領域の専門家が3つの項目に分けて解説した。企業が効果的なハイブリッドワークを実現しつつ、人材獲得に成功するためのポイントとは。

間違いその1 テレワーカーの居住地に基づく給与決定

 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のパンデミック(世界的大流行)によって、転勤市場は活況を呈した(注1)。特にオフィスに行ける範囲に住む必要がなくなった従業員は、生活費の安い地域を探すようになった。そのため、雇用主は転居した従業員の給与を維持すべきかどうかを検討し始めた。

 Facebookの親会社であるMeta(旧Facebook)のように、当初は労働者が他の場所に移動すれば給与が下がる可能性があるとする企業もあった(注2)。一方、居住地にかかわらず給与水準を維持することは人材確保において重要であり、給与ポータビリティを前進する道だと主張する企業もあった(注3)。

 人事領域のコンサルティングサービスを提供するThrive HR Consultingの設立者であるジェイソン・ウォーカー氏は「テレワークであることを理由に従業員の給与を減額することは、テレワークを活性化させようとする雇用主の努力に被害を与える可能性がある」と言う。

 「勤務地ベースの給与について従業員に話すときは、企業にとっての従業員の相対的な価値についても話す必要がある」とウォーカー氏は言う。

 また、ウォーカー氏同じくThrive HR Consultingの共同設立者であるラミレス氏は、報酬を決める際、雇用主の方針とは別に福利厚生と財務チームが正しいデータを基に査定する必要があると指摘する。「市場データは通常6〜12カ月前の古いものだ。雇用主は正確で多様な情報源からデータを取得する必要がある。そうしなければ、雇用主は性急な給与決定によって大切な従業員を不必要に失いかねない」(同氏)

間違いその2 オフラインにおいて優秀なマネジャーはハイブリッドでも成功すると思い込む

 有能なマネジャーであってもテレワークで成功するためのトレーニングは必要だとラミレス氏は言う。チームリーダーはテレワークやハイブリッドワークのミーティングにおける空気の読み方をもっと理解する必要があるかもしれない。また、テレワーカーはオンサイトワーカーよりキャリア開発や昇進に関心がないという誤解があるかもしれない。「優れたマネジャーだからといって、テレワーク環境でも優秀だとは限らない」と同氏は言う。

 ウォーカー氏は、「マネジャーはオンラインミーティングに参加するチームを効果的に取り込まなければならない」と付け加えた。「会議のアジェンダを異なるチームメンバーに回すといった簡単なことでもその方法になり得る」とウォーカーは述べる。また、心理的に安全な環境を維持することもリーダーの仕事だ(注5)。「人々は自分たちを尊重して丁寧に扱ってくれる会社に入りたいと思うものだ」とウォーカーは言う。

間違いその3 長期的なハイブリッドワークを恐れること

 テレワークは多くの企業の長期的な計画に組み込まれているが、一部の雇用主は、このモデルがパンデミックやその後にもたらす可能性のあるリスクに懸念を表明している(注6)。しかし、柔軟性を完全に無視することは、現在の人材獲得市場では解決策にはならない。ラミレス氏は「柔軟性のないポジションを真っ向から拒否する候補者が非常に多い」と言う。

 「この24カ月の間に、従業員はテレワークで生産性を上げることに慣れてきている。彼らにオフィスに戻るよう説得するのは非常に難しいだろう」と同氏は付け加える。

 ウォーカー氏によると、テレワークやハイブリッドワーク、その他の柔軟な形態で、特定の労働者、特にソフトウェア開発者やハードウェアエンジニアなどの優秀な従業員は、より力を発揮するというのが現実だ。一方、テレワークには向かない職種もあるという。

 ハイブリッドワークにこだわる理由は、人材市場に関するもの以外にも存在する。例えば「テレワークは環境問題や持続可能性に関する雇用主のメッセージにつながるものだ」とウォーカー氏は指摘する。ウォーカー氏は、従業員にオフィス通勤を求める企業について「直感的ではないメッセージだと思う」と述べている。

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