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5社の調査結果から読み解くハイブリッドワークの今と未来

コロナ禍によってテレワークおよびハイブリッドワークが浸透した。人材紹介会社、調査会社、エンゲージメントサービスベンダー、セキュリティベンダー、テクノロジー・コミュニティーによる調査から、ハイブリッドワークの現状と今後の展開を見ていく。

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HR Dive

 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のまん延によって、テレワークおよびハイブリッドワークが浸透した。従業員の多くはリモートによる勤務の維持を希望しているという。

 人材紹介会社、調査会社、エンゲージメントサービスベンダー、セキュリティベンダー、テクノロジー・コミュニティーによる5つの調査から、ハイブリッドワークの現状と今後の展開を見ていく。

テレワークシフトが一段落し、見える現状

 人材紹介会社のYohが3月に実施した調査によると、現在リモートで仕事をしている従業員の62%が「現状を維持したい」と回答しており、「ハイブリッド環境」を希望する人は32%、「完全対面型」は6%にすぎなかった(注1)。

 調査会社であるGartnerによると、ハイブリッドワークに対する需要を満たせないことは、従業員が大量に退職する理由の一つになる可能性がある(注2)。また、リモートで誰が働けるかどうかについて、従業員と管理職で大きく意見が食い違っている可能性があるとGartnerは述べる。人事部は、従業員にとってのハイブリッドワークの価値を、リーダーに理解させる責任があるという。

 しかし、ハイブリッドワークは必ずしも順風満帆とは限らない。エンゲージメントサービスを提供するTinyPulseによる2021年10月の調査では、多くの従業員が「ハイブリッドワークは他の形態に比べて最も精神的に疲れる働き方である」と述べた(注3)。また、セキュリティ企業のTessianが実施した調査では、ハイブリッドワークにおいて従業員は高度なフィッシング攻撃、特に「上級管理職からのメッセージを模倣した攻撃」に引っ掛かる可能性が高まっていと指摘された(注4)。

 また、テクノロジー・コミュニティーのFoundryが2022年6月23日に発表したレポートによると、テレワークやハイブリッドワークが今後も主流な働き方になる可能性が高いという。調査対象のITおよびビジネスの意思決定者の大多数が、ハイブリッドワークまたはテレワークが「永久的な解決策である」と回答した。

 「従業員が将来どこで働くか」という質問に対しては、「オフィスのみ」と答えた人はわずか29%だった。一方、「ハイブリッド型で働く」と答えた人は41%、「リモート型」と答えた人は30%であった。特にテクノロジー面ではテレワークやハイブリッドワークに対する懸念が残っており、51%が「効率的なコラボレーション」、47%が「モラル」、38%が「セキュリティ維持」への懸念を挙げている。

 雇用主はハイブリッドワークの導入を成功させるために「よくある間違いを避けるべき」と、専門家はHR Diveに説明した(注5)。よくある間違いの一つは、「対面での仕事に優れたマネジャーがハイブリッド環境でも成功すると考えるべきではない」ということだ。人事部には、「マネジャーと直属の部下が同様に職場でサポートされている」と感じられるようトレーニングとサポートを提供することが求められる。

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