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コロナ疲れの今、職場の“共感マネジメント”は有効なのか

コロナ禍に起因した人手不足や不安の中、多くの企業が従業員を元気づける方法を探している。共感型のマネジメントの有効性は前々から話題になっていたが、コロナ禍の燃え尽き症候群にも有効なのだろうか。

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HR Dive

 Businessolverが6月21日に発表したレポートによれば、人員削減と不安が現在のパンデミックの2大トレンドであるが、同社は、従業員が雇用主との間で感じる共感の度合いが低下していることを観察したと述べている(注1)。

 Businessolverによると、「自分の組織は共感的である」と回答した従業員は69%で、2021年の72%から3ポイント減少した。CEOの共感力に対する認識も同様の傾向で、職場の共感を築く上で最も重要な役割を果たしたのはCEOであると回答した従業員は少なく、代わりにそのニーズを満たすために直属の上司に期待しているという回答が多かった。

 さらに、Businessolverが調査したCEOの69%は、「共感を築くことが自分の仕事だと考えている」と答えた一方で、79%が「共感を得ることに苦労」し、77%が「共感し過ぎると尊敬を失うのではないかと心配している」ことが分かった。

 この報告書では、共感力を高めるための戦略として、管理職の権限強化とトレーニング、柔軟な働き方の提供、労働者のメンタルヘルスの問題に対処するための福利厚生の提供など、幾つかの戦略を概説している。調査対象の従業員の3分の2は、雇用主がメンタルヘルスの問題を抱える従業員を「弱い」または「負担」だと考えていると答えていることから、メンタルヘルスの問題が鍵になりそうだ。

コロナ疲れの今、職場の“共感マネジメント”は有効なのか

 Businessolverが2021年に行った調査では、パンデミックによって雇用主の共感に対する従業員の意識が高まった(注2)。このことを考えると、上記で見てきたようなレポートは落胆すべき傾向を示しているかもしれない。

 その後、さまざまな状況が重なり、労働者にとって厳しい環境になった。例えば、早期退職や転職などの自主退職による人手不足は、職場に残った労働者の燃え尽き症候群(注3)を引き起こした。また、ベンダーのSafetyCultureが第一線で働く従業員を対象に行った調査では、回答者の40%が経営陣からのコミュニケーションが「要領を得ない」と答え(注4)、30%が社内コミュニケーションが業務遂行に支障をきたしていると回答している。

 このような緊張感の中、最近の米国人材マネジメント協会(Society for Human Resource Management)の年次カンファレンスでの講演者をはじめ(注5)、人事部門に対して、共感が職場の方針にどの程度関連しているかを把握するよう求める声も上がっている。HR Diveの取材に応じた経営幹部は、従業員に定期的に感謝の気持ちを伝え、社内の会話でポジティブな意思を示して奨励することの重要性を強調した(注6)。

 「DEI」(多様性、公平性、包括性)といった取り組みも、職場の共感を回復する鍵となる可能性がある。2022年のBusinessolverの調査では、従業員、人事担当者、CEOの76%が、DEIプログラムとイニシアチブが職場での共感を促すと回答している。しかし、BusinessolverはDEIに関して、雇用主はイニシアチブの「認識と可視性を超え」「実際の結果を示し始める必要がある」と述べている。

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