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女性の離職を防ぐために企業がやるべき4つのこと

働く女性のうち54%が今後6カ月以内に新しい仕事を見つけることに前向きで、10人に1人が「仕事を辞めたいが、辞められない」という。女性の離職を防ぐために企業がとるべき“4つの行動”を紹介する。

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HR Dive

 女性従業員が求めていることを知るための第一歩は「尋ねること」だという。働きがいに関する専門家の指摘や働く女性を対象にした調査の結果から、働きやすい職場づくりの道筋が見えてくる。

企業が押さえるべき4つのポイントは?

 2021年のWomen@Workバーチャルサミットのパネリストは、雇用主が従業員のニーズに対応する際に「従業員と直接コミュニケーションをとることに手を抜きがちだ」と指摘した(注1)。何が問題なのか仮説を立てるのではなく、女性従業員と1対1で会話し、親和性の高いグループと面談し、アンケートを実施すべきだと提案した。

 またパネリストは、「雇用主はテレワークに関しても柔軟な対応を続けるべきだ。女性はパンデミックの際に培った信頼を維持する企業に魅力を感じる」と説明した。「きちんと仕事をこなしていれば、職場にいる必要がないような環境で働きたい」という意見が多いとする。

 働き方の柔軟性は家族の介護をする女性労働者にとって重要であるため、ワークライフバランスを実現する職務に就けることが望まれる(注2)。ある最高人財責任者はHR Diveに「時間をかけて在宅勤務を増やすことで、最終的に柔軟性が生まれ、より多くの女性が職場にとどまり、上級職へと昇進できるようになる」と語った。彼女の企業では、女性や介護者がワークライフバランスを育めるようハイブリッド型のワークモデルに移行した。

 働きがいに関する調査を実施するGreat Place to Workは「女性がどこで働こうとも、雇用主はそれを支援すべきだ」と強調する。

 Great Place to Workが2022年7月に実施した調査では「米国の一般的な職場は、働く女性の中核的なニーズに応えていないこと」が明らかになった。回答した約4200人の働く女性のうち54%が「今後6カ月以内に新しい仕事を見つけることに前向きである」と回答した(注3)。また、10人に1人が「仕事を辞めたいが、辞められない」と回答している。

 同調査では、企業は優秀な女性従業員を確保するために以下の4つの重要な行動を取る必要があると示された。

  • 公平な給与と昇進の機会を提供する
  • 心理的に健全な職場文化をつくる
  • 従業員が仕事の意義を見いだせるようにする
  • リモート/ハイブリッドオプションを柔軟に提供する

 Great Place to Workのマイケル・C・ブッシュCEOは「どんな企業も女性を支援し、女性が活躍できるような文化を作れるのは良いニュースだ」とリリースで述べている。

 Great Place to Workが2022年に発表した「Fortune Best Workplaces for Women」は、このことを裏付けている(注4)。リストに掲載された企業で働く女性の10人に9人は「長期的に仕事を続ける予定」であり、92%は「職場で貢献する意志がある」と回答した。

 しかしこの調査は、「女性の経験(ワークエクスペリエンス)が働く場所によって影響を受けること」を示している。

 公正な報酬や仕事への貢献度に関しては「リモートで働く女性が最も良い経験をしていること」が調査で明らかになった。しかしリモートで働く女性は、オンサイトで働く人に比べて自分が成果を上げていると感じることに苦労している。また、ハイブリッド勤務の女性労働者の約半数(49%)は、「企業が公正な昇進機会を与えている」と答えており、オンサイト勤務の43%、リモート勤務の40%の女性が同じ考えを持つ。

 オンサイトまたはハイブリッドで働く女性はリモート勤務に比べ「自分の仕事に特別な意味がある」と感じる人が多い。しかし、オンサイトで働く従業員は「自分の職場が心理的に健康である」と感じる傾向が低い。

女性従業員の深刻なメンタルヘルス状況

 2022年5月、会計事務所Deloitteの調査に回答した5000人の働く女性の半数以上(53%)が、「2021年よりも2022年の方がストレスが多い」とHR Diveは報じた(注5)。ほぼ半数(46%)が「燃え尽きたと感じる」と回答し、少数民族の女性は「同僚の女性よりも燃え尽きたと感じる」と回答する傾向があった。

 職場の人種平等に関するトレーニングとコーチングを提供するEvery Level Leadershipの2022年6月の報告書は、これらの調査結果を裏付けている(注6)。回答した黒人女性の大半(88%)が、「職場での燃え尽き症候群を経験した」と答えており、その原因は「過少評価、報酬不足、さまざまな形の排除」にあるとしている。

 報告書は雇用主に対して、黒人女性の経験から学び、彼女たちのニーズに応え、彼女たちを取り込む戦略を立て、黒人女性を中心とした「目標達成主義」のDEI(Diversity, Equity & Inclusion)モデルを採用することによって、職場満足度を向上させるよう呼びかけている。

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