こんなはずじゃなかった……人材採用の理想と現実
パーソルホールディングスの調査から、企業の人材採用が思うように進まない実態と、望む人材が採れない企業の特徴が明らかになった。
パーソルホールディングスは、企業の経営層や人事担当者を対象に「人的資本経営(人材ポートフォリオ)に関する企業の取り組み実態調査」(調査期間:2022年9月15〜16日)を実施した。
人材採用の苦しい現実が明らかに
本調査では、人材採用に関して「目指す姿と現状にギャップがある」と回答した人の割合が58.5%に上ることが分かった。人材スキルや人材要件、人材育成など、人材ポートフォリオに関連する他の項目についても「ギャップあり」が過半数を占めた。
さらに、従業員の年齢構成別にみると、どのような企業が目指す姿と現実にギャップがあるのか見えてくる。
本調査によれば、「高年齢層が多い」「中堅層が少ない」「若手層が少ない」といった特徴をもつ企業は、人材採用について、目指す姿と現状のギャップを感じる人の割合が特に高いことが分かった。
企業の取り組み状況
では、企業はどのようにして必要な人材を確保しているのか。
回答者の80.9%が、「中期的な人材ポートフォリオ構築に向けて人材採用に注力している」と回答した。一方で「外部人材の活用」「スキルを転換する人材育成(リスキル)」と回答した人は6割程度であった。
また、中期的な人材ポートフォリオの構築に向け「必要なスキルの特定」や「必要な人材要件の明確化」「採用・育成計画策定」が「できている」と回答した人の割合は、いずれの項目でも6割に満たなかった。
必要な人材を採用で埋めようとするも、必ずしも理想通りの人材を採用できるとは限らないという、企業の苦しい現実が明らかになった。中長期的な計画に基づく人事施策への転換が必要と思われる。
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