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46%の企業がIT予算「増加」 その用途と山積する課題とは

日本情報システム・ユーザー協会が実施した調査によると、2022年度から2023年度にかけてIT予算を増やす見込みの企業は46.1%だった。企業はその予算を何に投じるのだろうか。DX推進の課題なども含め、調査結果を紹介する。

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 日本情報システム・ユーザー協会(以下、JUAS)は2023年1月24日、東証上場企業とそれに準じる企業の4500社を対象に実施した「企業IT動向調査 2023」(調査期間:2022年9月9日〜10月27日)の速報値を発表した。

IT関連予算を増やす企業は46.1% その用途は?

 同調査によると、2023年度のIT予算が2022年度よりも「増加する」と回答した企業は全体の46.1%となった。「増加する」の割合から「減少する」の割合を差し引いた値(DI値)は37.1ポイントとなり、直近10年間で最高値となった(図1)。JUASは「業務のデジタル化やDX(デジタルトランスフォーメーション)の波が続いているほか、企業の業績が回復基調にあることも背景にありそうだ」と見解を示した。


図1 IT予算DI値の推移(出典:JUASのプレスリリース)

 IT予算を増加する企業も多いようだが、企業はどのような用途にその予算を投じるのか。

 同調査によれば、IT予算増加の理由としては「業務のデジタル化対応」「基幹システムの刷新」「基盤整備・増強」などを挙げる企業が多く、特に「業務のデジタル化対応」「事業変革に向けたデジタル化対応」の割合の伸びが大きい(図2)。


図2 IT予算増加の理由(出典:JUASのプレスリリース)

IT投資好調の裏で課題も山積

 同調査でDX推進における課題として最も多く挙げられたのは「人材・スキルの不足」だった。特に、売上高規模の大きい企業で割合が多い(図3)。


図3 DX推進上の課題(出典:JUASのプレスリリース)

 その中でも、現状重視する人材タイプは「情報セキュリティ担当」「業務改革推進・システム企画担当」「IT戦略担当」などが挙げられた(図4)。サイバーセキュリティは若者の関心が低いことも指摘されており(注1)、今後も多くの企業にとって人材獲得や育成が課題になりそうだ。

 一方で、今後重視する人材タイプとしては「IT戦略担当」の割合が多く、JUASは「戦略立案や事業変革など経営や事業に詳しい人材タイプのニーズが高まりそうだ」と述べた。


図4 重視する人材タイプ(出典:JUASのプレスリリース)

 同調査では人材育成方針や教育カリキュラムに変更があったかを尋ねており、売上高規模が大きくなるほど「すでに変更した」「変更を検討している」と回答する企業が多かった。キーマンズネットの読者調査でも、従業員規模の大きい企業ほどデジタルスキルの学習プログラムを導入する企業が多く(注2)、今後も大企業を中心にIT人材育成が加速するだろう。

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