「Teams会議したいけど騒音が……」どこでも会議するための機能3選
ハイブリッドワークの中では、仕事に適さない環境で働かざるを得ない場合もあるだろう。そうした環境でも快適に働けるように用意されたTeamsの機能とは。
「Microsoft Teams」(以下、Teams)は、多様化する働き方のニーズに応えるため、「部屋が散らかっている」「周囲がうるさい」といった環境でも快適に会議に参加できる機能を備えている。マイクロソフトが推奨するハイブリッドワークの特徴とあわせて紹介する。
マイクロソフトが推奨する「ハイブリッドワーク」とは
2023年1月26〜27日、マイクロソフトは「Microsoft Base Festa 2023」を開催し、同イベント内のセッション「Microsoft Teamsで働き方をアップデート!」ではTeamsの効果的な活用法が語られた。
マイクロソフトは「ハイブリッドワーク」を「生活環境や職場環境にとらわれず、社員是認が最大限に力を発揮できる、柔軟で多様性のある働き方」と定義する。ただ、同社によるとハイブリッドワークにもさまざまなパターンがあるという。
「多様性のある働き方」には「離れた場所で働く」場合に加えて「異なる時間で働く」場合も含まれる。「家事や子育てをこなしてから遅い時間にもう少し働きたい」「夜は趣味の時間に充てたいから早起きして仕事をしたい」といったケースが考えられる。
このように働き方が場所や時間で多様化していく中で、それを支えるツールも進化していく必要がある。Microsoftが提供するTeamsには、そのようなニーズに応えるための機能が実装されているという。
3つの機能で「どこでも会議」
2020年以降、会議に関する課題は大きく変化し、Teamsユーザーが会議に費やす時間はそれ以前と比べて252%となり、突発的に開催される会議の割合は64%を占めている。「ほとんど発言せず会議が終わってしまった」という経験をしたハイブリッドワーカーも43%に上る。
これらの課題に対応すべく、Teamsに実装された機能はどのようなものだろうか。同イベントでは以下の3つの機能が紹介された。
カスタム背景
自宅から会議に参加する際、自分の部屋の様子は映したくない場合に活用できるのが「カスタム背景」機能だ。画像を選択して実際の背景を隠して仮想背景画像に置き換えることができる。「予定外の会議で部屋を片付ける時間がない……」そんな時にも使いたい機能だ。
ノイズキャンセリング
常時有効にするのをお勧めしたいのが「ノイズキャンセリング」機能だ。有効にすることで背後の音が消え、自分の声がクリアになる。カフェのような場所で働く場合、「自分のマイクをオンにすると雑音が入って迷惑になるかも……」と会議に集中できないかもしれない。そんな心配を取り除いてくれる機能だ。
明るさ調整・ソフトフォーカス(リンク先の「ビデオフィルターを使用する」)
オンライン会議では顔の表情がとても重要。いわゆる「女優ライト」のような顔に照明のあたる機材を購入する人もいるだろう。それらの機材がなくても「明るさ調整」機能を使うことで顔の映りがあかるくなり非常にキレイに見えるようになる。顔がキレイに映るようになると、次に気になるのが肌の質感だ。そこで使うのが「ソフトフォーカス」機能。これによって顔の凹凸がキレイに映る。一回の会議のためにわざわざケアするのはちょっと……、というときにも便利だ。
「Teams対応」ガジェットも便利に
同イベントでは、Teamsと一緒に使うことでよりハイブリッドワークを快適にするデバイスも紹介された。
ソニーの「LinkBuds UC for Microsoft Teams」は耳に入れる部分の中央に穴が空いていて、耳をふさがない構造になっている。装着しても自分の声や外界の音が聞こえるため、オンライン会議でも自然に会話でき、宅配便が届いたのに気付かないということもない。
同製品はTeams認定デバイスのため、本体をタップすることでTeamsを操作できる。マイクのオン、オフや挙手機能など、PCを操作せずに操作できる。さらに、装着時のタップ操作は、本体だけでなく装着している耳の付近に触れるだけでも可能だ。本体に触れた勢いで耳から外れ、落としてしまうということも起きにくい。
有償版の「Microsoft Teams Premium」でできること
2023年2月には「Microsoft Teams Premium」(以下、Teams Premium)も登場する。Teams Premiumは、従来のTeamsに以下の3つの機能を追加した有償版の新サービスだ。
パーソナライズ
自社のロゴやカラーをUIに反映することができる。また「顧客との会議」「社内での会議」といったように会議を分類して、会議でのマイクのオン、オフの制御や、セキュリティなどをあらかじめ設定しておくことができる。
インテリジェント
字幕のリアルタイムでの翻訳や会議内容からのタスクの自動抽出、録画にチャプターを自動作成する機能などが追加される。
高度なセキュリティ
画面を共有したときに「透かし」を追加したり、それと連動して録画可能なユーザーを制限したりできるようになった。またエンドツーエンドの暗号化をオンライン会議に適用できるようになった。ユーザーからの要望が非常に多かったそうだ。
コロナ禍によって、日本でもテレワーク、ハイブリッドワークへの移行が急速に進んだ。マイクロソフトも約2年間の原則出社禁止期間を経て、現在は25%程度の出社率だそうだ。そのような状況で、家やオフィス、カフェ、ホテルなど、どこで働いても安心できるコミュニケーションツールが求められている。Teams利用時は今回紹介した機能を使って、より良いコミュニケーションを実現したい。
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