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異動しづらいと辞職続出? 従業員のキャリアのために上司がすべきこととは

社内異動の道がない企業の従業員は離職する可能性が高いことが分かった。一方で、ただ社内異動を促進すれば良いという話でもなさそうだ。部下のキャリア開発のために上司がすべきこととは。

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HR Dive

 Cornerstone People Research Lab(以下、Cornerstone)とLighthouse Research&Advisoryが2023年1月17日に発表したレポートによると、社内での明確なキャリアパスがなければ、従業員は退職する可能性が高いことが分かった(注1)。

 調査対象となった労働者の約4分の3が「社内の(他の)仕事の機会について知りたい」と回答している。そのような機会に気付かない従業員は、他の仕事をすることに興味がないと答える割合が約3倍高く、61%が現在の仕事を辞めることを考えているそうだ。Cornerstoneは「従業員が一つの企業に生涯をささげるケースが減るとともに、現在の企業の中で職種を変えて成長を望む傾向が強まっている」と述べる。

 一方、同報告書によれば、社内異動の促進が意味を持つためには従業員が組織に対する強い帰属意識を持つ必要があり、それには多くの場合、管理職が重要な役割を果たすようだ。

上司がすべきこととは?

 従業員の人材開発のためには、管理職に対するトレーニングが必要な場合があることが他の報告書で示されている(注2)。特に、管理職がキャリアマップ(能力開発の道筋を示したもの)を通じて直属の部下を指導する場合はなおさらだ。不況が続く中、L&D(人材開発)への投資は大きな負担に感じられるかもしれないが、採用コストの増加と高い離職率が相まって社内異動に焦点が当てられるようになっていると「MIT Technology Report」の一つが指摘している(注3)。

 学習機会の不足は社内異動を阻害する可能性があり(注4)、これは人材流出防止の努力も阻害すると、Eagle Hill Consultingの報告書では指摘されている。

 不況が押し寄せる中、雇用主はたとえ経済が低迷しても、人材不足は続く可能性が高いことを念頭に置く必要がある。Glassdoorによれば、労働力の高齢化と仕事に対する考え方の変化により、今後数年間は市場が切迫する可能性があるようだ(注5)。

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