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給与に文句を言う従業員を納得させる、4つの方法

従業員は2022年、「給与の透明性」と「支給額の公平性」を重要視し、2023年も同様だ。従業員が給与に納得して働くための方法を紹介する。

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HR Dive

 「自分の給与は公正ではない」「どうしてあの人の方が給与が高い」など、給与への不満の声を頻繁に聞く。実際、従業員は2022年、「給与の透明性」と「支給額の公平性」を重要視し、2023年も同様だ(注1)。

 人事領域の研究者が、従業員が給与に納得して働くための「4つのベストプラクティス」を紹介する。

従業員が納得して働く給与ルールのつくり方

 人事関連サービスを提供しているMcLean and Companyの研究者は、2023年1月の報告書で「給与に関する社内外のバランスを取ることの重要性」を強調し、(注2)「競争の激しい労働市場において、企業は透明性のある最新の給与体系と自社のニーズのバランスを取る方法を見つけなければならない」と述べた。

 ある人事専門家は、HR Diveの取材に対し、「給与だけでなく、企業文化や意思決定など他の側面にも透明性を拡大すべき」と述べた。また別の専門家は、「給与の透明性はエンプロイーエクスペリエンス(従業員体験)全体と調和していなければならない」と強調した(注3)。

 McLean and Companyは、公平性と透明性という2つの目標を達成するために、人事マネジャーと企業リーダーに対して4つのベストプラクティスを推奨している。第1に「市場データを活用すること」、第2に「ジョブグレードと賃金体系を確立すること」、第3に「一貫性を保つためのプロトコルを作成すること」、そして第4に「その方針を全社的に伝えること」だ。

市場データを収集する

 McLean and Companyの研究者は、ターゲットの市場を確認し、市場比較対象を特定することの重要性を強調した。つまり、同じ業界、同じ分野の企業の給与がベンチマークとなり得るということだ。

 これは、報酬の専門家が以前HR Diveに語った内容と一致する(注4)。PayScaleのある幹部は、「報酬が気まぐれやえこひいきではなく、市場価値に基づいていることを確認するために、職務に応じた給与帯を設けるのが有効だ」と述べている。また、市場の変化を把握するために、ポリシーを作成することも勧めている。

基本給の体系を作成する


「雇用主が給与の透明性を確保できていると思うか」という問いに対して「はい」と答えた人の割合

 基本給の体系の作成とは、そのビジネス分野で既に確立されている「競争力のある給与」を基に、ジョブグレードと予備的な給与帯を定義することだ。

 そして、人事リーダーと経営幹部は、市場データと企業の給与の関係をどうするかを検討する。最終的な基本給は、ステークホルダーが承認する。

給与に関するプロトコルを確立する

 第3のステップは、「さまざまな給与シナリオのガイドラインを作成することだ」とMcLean and Companyの研究者は述べる。このプロトコルには、昇給や昇進、異動の報酬戦略などが含まれる。

 McLean and Companyのレイチェル・スチュワート氏(HR Research & Advisory Services プラクティスリード)は、マネジャーが報酬再編の過程で変更を加えるべきだと判断した場合、「もはや戦略的ではないアプローチ」や「従業員と企業のニーズに合っていないアプローチ」といったことにしがみつくよりも、調整するほうがよいと述べている。

スタッフに新しい戦略を理解させる


スタッフに新しい戦略を理解させているかどうか

 最後に、財務の意思決定者は、企業における給与の透明性とは何か、そして将来的にどのようなものにしたいかについて、共通認識を得るようにする。McLean and Companyの研究者が推奨するように、彼らは「2者のギャップを埋める」ためのポリシーを作成し、新しい基本給体系とそれに付随するポリシーについてスタッフと話し合うためのコミュニケーションプランを作成する。

 Visierの2022年版給与透明性調査報告書によると、給与の公平性は単に給与の問題ではなく、企業の報酬戦略に関する知識の問題であることが示されている(注5)。研究者は、世代間格差と、経営幹部から新入社員レベルまでの格差も指摘した。

 上記のような調査結果は、給与の透明性に関するコミュニケーションプランを作成して実施することの有用性を示しており、これによって公平性の目標をさらに支援することができる。

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