一目で分かる、リスキリングする気がない人のホンネ【IT人材実態調査】
キーマンズネット編集部は「IT人材と働き方に関するアンケート」を実施した。第2回となる本稿は、企業における「スキルアップ・リスキル」の結果をお届けする。リスキリングする気がない人のホンネが見えてくる。
キーマンズネット編集部は「IT人材と働き方に関するアンケート」を実施した(実施期間:2023年2月8日〜3月3日、有効回答数532件)。「IT人材不足」「スキルアップ・リスキル」「働き方・転職」「職場の人間関係」の4回に分けて、調査結果を紹介する。
第2回となる本稿は、企業における「スキルアップ・リスキル」に関する調査結果をお届けする。記事の後半では、リスキリングする気がない人のホンネが“一目で”分かる。
スキルアップ「したいこと」「したくないこと」
まず「仕事に関するスキルを今後も高めていきたいかどうか」を聞いたところ、「強く思う」(48.1%)、「やや思う」(45.3%)を合わせて93.4%がスキルアップに前向きなことが分かった(図1)。
年代別にみると、40歳未満の人で「強く思う」と回答した人が61.9%であるのに対し60歳以上だと41.1%となり、年齢が上がるにつれてスキルアップの意欲は下がる傾向にある。
スキルアップしたい項目(複数回答可)としては、「データ分析」(51.9%)、「AI、機械学習」(50.7%)といった新しい技術に関するスキルを挙げた人が半数を超えた(図2)。
スキルアップしたい項目を年代別にみると、40歳未満の人は「時間管理、タスク管理」(39.5%)、「プレゼンテーション」(34.2%)、「資料作成」(39.5%)といった、社会人に求められる基礎的な能力に対するスキルアップ意欲の高さが見て取れる。特徴的なのが「外国語」(44.7%)の割合の高さだ。フリーコメントには「アジア圏の市場動向や技術動向」といった声が寄せられるなど、海外で仕事をすることに対する意識の高さが分かる。
一方、40歳以上50歳未満の人は、他の世代に比べて「プロジェクトマネジメント」(50.4%)や「社内のコミュニケーション」(36.4%)を挙げる人が多く存在した。
次に「新卒の新入社員に1年目で身につけてほしいスキル」(複数回答可)を聞いたところ、トップ5は「社内のコミュニケーション」(75.1%)、「時間管理、タスク管理」(52.0%)、「業界や製品の知識」(49.5%)、「社外とのコミュニケーション」(43.8%)、「資料作成」(41.8%)であった。「外国語」は9.5%と低い結果となった(図3)。
一目で分かる、リスキリングしたくない理由
「仕事に関するスキルを今後も高めていきたいかどうか」という問いに対して、「あまり思わない」「全く思わない」と回答した人に理由を聞いた。回答結果をワードクラウドで整理したところ、リスキリング意欲が低い人の理由が一目で分かる(図4)。
最後に、スキルアップ意欲が湧かない人たちの声をまとめた。中には「自分に合っていない」「疲れた」といった声が寄せられるなど、環境の変化が必要そうな人もいるようだ。
<環境が合わない>
- 自分のやりたいことと違ったため
- ITとは分野が異なる部署から異動してきた身分だから
- 不要であるため
- 今の部署から異動したいと思っているので
- 見返りが見込めない
- すぐに陳腐化するから
- 自分に合っていないから
<やる気が出ない>
- 向上心が無い
- 疲れた
- 自社は給料も高くないため、そこまで頑張りたくはない
- 勉強するのが苦痛
<定年が近い>
- もうじき定年
- そろそろ引退なので
- 今年60になり、もう先が無いので
- 現役引退しているので
- 年齢的にも下がっていくところだから
- 一旦定年退職を迎え、再雇用契約社員の立場であるため
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