「会議でストレスがたまる」、その要因はどこに?:会議で生産性が下がるのはなぜ
従業員数100人以上の企業の管理者と一般社員それぞれ250人に「社内会議」のストレス要因を聞いた。回答者の半数以上が負担だと思うのは?
「会議は時間のムダだな」と嘆く読者も多いだろう。社内会議やミーティングに関する意識調査によって、管理職よりも一般社員の方が会議に心的負担(ストレス)を感じているものの、会議の前後で関連する作業をしていない人の割合は一般社員の方が多いことも分かった。
会議には管理職もストレスを感じている、なぜ?
パーソルプロセス&テクノロジーは3月29日、社内会議や社内ミーティングに関する調査結果を発表した。一般社員と比べて管理職の方が会議の頻度が多く、会議時間も長い。それだけでなく会議の事前準備や事後作業に使う平均時間も、全ての作業において管理職の方が長いことが明らかになった。
会議の平均参加回数を尋ねたところ、管理職は「週1〜2回」(34.8%)、「週1回未満」(22.8%)、「週3〜4回」(21.2%)、一般社員は「週1回未満」(42.4%)、「週1〜2回」(26.8%)、「週3〜4回」(12.4%)となった。1日2回以上会議に参加していると推定できる「週9〜10回」以上の割合は管理職が11.6%、一般社員が4.4%で、全体的に管理職の方が会議の回数が多いことが分かる。
会議時間については、管理職も一般社員も「30分〜1時間程度」が最も多く(管理職81.6%、一般社員77.6%:「よくある」と「たまにある」を合わせた数値)、次いで「15分〜30分程度」(管理職71.6%、一般社員59.6%)、「1時間〜2時間程度」(管理職62.8%、一般社員53.6%)と続く。会議時間についても管理職の方が長い。
本調査は、会議の事前準備や事後作業にも注目し、ほとんどの作業で回答者の半数以上がストレスを感じていることを明らかにした。
事前準備では「会議関連資料作成」にストレスを感じる人が最も多く、次いで「会議前の根回し」にも3割以上の回答者がストレスを感じている。会議関連資料の作成に費やす時間は、管理職が平均36.7分、一般社員が26.9分であることも分かった。
管理職は「日程調整」や「資料等の確認・読み込み」がストレス要因として続き、一般社員は「アジェンダ(会議議題)の作成」や「発言・アイデナ内容を整理する」ことにストレスを感じている。
事後作業では「議事録作成」が管理者、一般社員ともに最もストレスを感じている結果となった。管理職は「要確認事項に関する連絡」「資料修正」「タスクの整理」と続き、一般社員は「資料修正」「要確認事項に関する連絡」「議事録確認」と続く。議事録作成には管理職が平均21.8分、一般社員が16.8分を費やしている。
議事録作成で困ることについて深堀したところ「要約や要点の抽出が難しい」が40.2%で最も多く、「認識があっているかが不安」(31.0%)、「打ち込む文字数が多い」(26.4%)と続いた。
パーソルプロセス&テクノロジーの橋口 真氏(プロダクト統括部責任者兼コーポレートヘッドクォーター本部長)は「会議に関連するストレスを誰もが感じているにもかかわらず、多くの企業が変えられずにいると感じる。会社の生産性が低下している一因にストレスがあるのだとしたら、会議プロセスを見直し、ミーティングマネジメントを強化・改善することが必要だ」とコメントする。
調査は2023年3月13〜17日にインターネットによる定量調査として実施した。調査対象は全国の従業員100人以上の企業に勤める会社員250人と経営層250人(いずれも20代〜60代の男女)だ。
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