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優秀な人材を採用できない企業のための「3つの解決策」

厳しい経済状況を乗り越えるために、企業は優秀な人材を確保する必要がある。ある企業幹部が語る、人材確保のための「3つの方法」とは。

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HR Dive

 多くの企業が従業員のオフィス復帰を求める中、フルタイムのオフィスワークとハイブリッドワークのどちらが効果的なのかは、まだ判断がつかない。しかし、ハイブリッドワークの導入には、従業員のリテンション(維持)やビジネスの成長、多様な人材の確保など、明確なメリットがあることが分かっている。

 実際、Infosys Knowledge Instituteの「Future of Work」レポートでは、ハイブリッドワークを導入した企業は、より多くの従業員を確保できる可能性があることが分かった。さらにこの調査では、リテンションの向上は収益の増加につながることも分かっている。

人材確保のための3つの方法

 企業は厳しい経済状況を乗り切るために最善の状態を保つ必要がある。貴重な人材を流出させてしまう企業よりも、人材、つまり組織の知識や経験を確保しようと努力する企業の方が有利だろう。人材確保のための方法として、以下の3つが考えられる。

働き方に柔軟性を持たせる

 人材を確保する最善の方法は、オフィスの形や働き方に柔軟性を持たせることだ。「Future of Work」の調査の回答者のうち、経営幹部から中間管理職までの73%が「フレキシブルワークスペースやテレワークスペースがオフィスで拡張されることを期待している」と答えた。

 企業は既に、人材を確保する必要性を明確に認識している。事業モデルの変化によって柔軟な働き方に切り替える企業もあるが、主な要因は候補者が「テレワークを好む」と答えたことだろう。この調査では、回答者の65%がこの変化を理由にテレワーカーを雇用していることが分かった。

既存の従業員のリスキリング

 賢明な雇用主は、人材採用だけでなく、既存の従業員のリスキリングも図る。私たちの調査によれば既存の人材をリスキリングは、極端な自動化のような施策よりも、利益率の向上に貢献するようだ。

別の人材プールに目を向ける

 多様な人材に目を向けることも、価値ある労働力を確保し、リテンションを保つための重要な要素だ。企業はこれまでの採用候補者以外にも目を向ける必要があることが、われわれの調査で明らかになった。

 ビジネスの成長につながる人材ソースとして、フリーランス市場や大学、コミュニティーカレッジ(2年生の大学)、ポリテクニック(職業教育を提供する高等教育機関)などがあることが分かった。

 これらの人材ソースは、3.9%の利益増加と2.4%の収益増加をもたらすとされる。これは私たちが調査した市場(米国、英国、フランス、ドイツ、オーストラリア、ニュージーランド)において、売上高で5030億ドル、税引前利益で1450億ドルの増加だ。

 これらは多くの企業が容易に達成できるにもかかわらず、まだ着手していない人材ソースだ。リテンションの高い人材を確保したい企業は、人材獲得の優先順位としてコミュニティーカレッジなどにも注目すべきだ。

働きやすい職場実現のために

 以上の方法は全て、人間中心の職場の実現につながっている。そういった職場の一員であることは、新入社員にとっても、既存のスタッフにとっても魅力的なことだ。つまり、働き方や働く場所を柔軟に変え、スタッフが新しいスキルを身につける機会を作り、従業員が生き生きと働ける環境を整えることが重要だ。進化する従業員の期待に応えることによって、企業は繁栄し、利益と収益を拡大できるのだ。

著者プロフィール

ラジェッシュ・ヴァリエ

Infosys エグゼクティブバイスプレジデント兼デジタルエクスペリエンス責任者


出典:The office is on life support(HR Dive)

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