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「多すぎる会議にウンザリ」と思いきや、従業員が感じる意外なメリットとは?

カレンダーを埋め尽くしてしまうため、嫌われがちな「会議」。調査によると、単純に嫌われているというわけでもないようだ。

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HR Dive

 コロナ禍が落ち着いた現在でも、オフィスを必要としない働き方を模索する企業は多い。従業員が自由に働く時間や場所を選べる「非同期な働き方」が一般的になったのだ。

 しかし完璧に移行したわけではない。オンラインホワイトボードを提供するMiroのホリー・カストロ氏(Chief People Officer:最高人材責任者)は「ほとんどの企業がつまずいた。多くの企業、特にテクノロジー業界以外の企業にとっては(非同期な働き方は)大きな転換だった」と述べる。

「非同期な働き方」は好評 会議は?

 Miroは米国の2228人の従業員に対して非同期な働き方に関する調査を行い、2023年4月に結果を発表した(注1)。同調査の結果によると、一般的に非同期な働き方は好評で、非同期な働き方を減らしたいと考える労働者は14%だという。そのような働き方にはどのようなメリットあるのだろうか。また、「同期的な働き方」である会議について、人々はどのように考えているのだろうか。

 同調査では多くの人が非同期な働き方には「燃え尽き症候群の軽減」「柔軟性がある」「休憩しやすい」「ストレスが少ない」といったメリットがあると回答した。カストロ氏によると、依然としてコロナ禍による燃え尽き症候群は大きな問題であるため、これは良い兆候だという。

 一方、「同期的な働き方」である会議が一概に嫌われているわけではないようだ。84%の従業員が「会議は同僚とのつながりをより深く感じさせるものだ」と回答し、79%の従業員は「自分の企業への貢献度を把握するために会議が役立っている」と回答した。74%の従業員は「会議に参加している実感を持っている」と回答し、66%は「(会議に出席することで業務に関する)インスピレーションを感じた」と回答した。

非同期が失敗するケース

 非同期な働き方のメリットが感じられないケースもあるようだ。テレワーク関連製品を提供するBubblesのCEO(最高経営責任者)であるトム・メデマ氏は次のように述べる。

 「さまざまなプラットフォームで異なる時間帯にさまざまな人からリクエストが殺到することは、従業員のストレスになり、生産性に影響を与える。従業員に対してすぐにWeb会議に参加するよう求める上司がいるが、これは従業員の事情を無視し、業務の切り替えを(強制的に)要求することだ」

 ジェンダーの不均衡も問題だ。「会議に参加している実感を持っている」と回答した人の割合は男性が79%、女性が70%となった。「(会議に出席することで業務に関する)インスピレーションを感じた」と回答した人の割合は男性が72%、女性が61%だった。また、「会議で最善のブレインストーミングを行う」と回答した人の割合は、男性が70%、女性は58%だった。

 「発言の頻度が偏っていたり、困惑している従業員がいたら、何かが間違っていることを疑ったほうがいい」とカストロ氏は指摘する。

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