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「生成AI導入で大問題」にならない企業が忘れずにやっていること

AIツールの進化がめざましく、企業でも導入が進んでいる。専門家によれば、AIに関するさまざまなリスクに対処するため、「ある対策」を講じる必要があるようだ。

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HR Dive

 MIT Sloan Management ReviewとBoston Consulting Group(BCG)が2023年6月20日に発表した報告書によると(注1)、70%以上の企業がAI(人工知能)ツールのリスクへの対応に苦慮している。最新の状況に後れを取らないようにするためには、責任あるAI(以下、RAI)に関するプログラムの導入を検討すべきだとされる。

 特にサードパーティー製のAIツールには重大なリスクがあり、風評被害や顧客の信頼喪失、財務上の損失、法規違反による罰則、コンプライアンス上の課題、訴訟などにつながる恐れがある。

AIのリスクに企業はどう立ち向かうべきか

 同報告書の共著者であり、MIT Sloan Management Reviewのゲストエディターであるエリザベス・レニエリス氏は次のように述べている(注2)。

 「技術面においても規制面においても、AIを取り巻く環境は、私たちが2022年に(前回の)報告書を発表してから大きく変わった。生成AIの急速な普及により、AIは食卓の話題になった。しかし、基本的なことに大きな変化はない。2023年の私たちの調査によると、拡大するAIの利用とリスクに対応するために、投資によってRAIに関するプログラムを拡大することが急務だ」

サードパーティー製のAIのツールに依存する企業が多い

 同報告書には、59の産業と87の国々において年間売上高が1億ドル以上の企業を代表する1240人の回答者によるグローバルな調査結果が含まれている。その結果によると、78%の企業がサードパーティー製のAIツールに「大きく」依存しており、53%は「完全に」依存している。これにより、企業はさまざまなリスクにさらされるが、その中にはリーダーたちが気づいていない、または理解していないリスクも含まれている。

 実際のところ、サードパーティー製のAIツールを使用している企業の5分の1は、リスクを全く評価していない。「これらの状況を改め、企業はサードパーティー製AIツールを適切に評価し、新たな規制に備えてRAIに関する取り組みにCEOを参加させ、適切なRAIのプログラムに迅速に移行する必要がある」と本報告書の著者は指摘している。

 模範的な企業はサードパーティー製AIツールを評価し、リスクを軽減するためにさまざまなアプローチを用いている。「ベンダーの事前認証と監査」や「製品レベルの社内レビュー」「RAIの原則を定めた契約条件の採用」「AI関連の規制要件と業界基準の順守」などを含む7つの異なる手法を導入した企業がツールの欠陥を発見する確率は51%で、3つの手法しか導入していない企業における確率は24%だ。

CEOが実践的な役割を果たすことも重要

 また、RAIに関する議論にCEOが参加することも重要だ。RAIの採用決定、製品レベルの議論、業績目標などの議論にCEOが参加し、実践的な役割を担う企業は、実践的な役割を果たさないCEOがいる企業と比較して、58%もビジネス上のメリットが大きいと報告されている。

 レポートの共著者で、BCGのチーフ・AIエシックスオフィサーであるスティーブン・ミルズ氏は次のように述べる。

 「今こそ、企業はRAIに関するプログラムの強化のために投資すべきだ。テクノロジーがRAIに関する取り組みを上回っているように感じるかもしれないが、解決策はRAIに対する取り組みを強化することであり、後退することではない。企業はビジネスとして価値を提供し、リスクを管理するために、RAIに関するプログラムにリーダーシップとリソースを投入すべきだ」

 AIのリスクが明らかになるに連れて、州や連邦政府当局は職場における自動化ツールの規制を検討している。ホワイトハウスは、従業員の「監視やモニタリング、評価、管理」に使用される技術を評価する計画を発表した(注3)。さらに、34の州の議会でAIに関連する160以上の法案や規制が審議中である(注4)。

 米国の雇用機会均等委員会(EEOC)にとって、雇用差別は、雇用や解雇の決定にAIベースのプラットフォームを使用する場合に考慮すべき重要なリスクである(注5)。これに対応するために、都市や州は自動化された雇用判断ツールを規制し、それらのツールの使用を求職者に通知する内容の立法を検討している。

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