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会社の「押し付け社員教育」は意味がない? 本当に求められる教育とは

雇用主の多くは「従業員のスキルを開発できる自信がある」と述べたが、従業員による同意は非常に少なかった。その実態は。

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HR Dive

 企業が従業員に向けて提供している学習プログラムは的外れかもしれない。調査によると、多くの雇用者は自社の教育に自信をもっているが、従業員は教育が役に立っていないと回答している。

 雇用主と従業員の間にあるギャップと、従業員が本当に求めている教育を明らかにしていこう。

自信満々の雇用主、対する従業員は……?

 学習テクノロジー企業であるCornerstone OnDemand(以下、Cornerstone)が2023年9月12日に発表した「2023 Talent Health Index」によると、調査に回答した従業員の40%以上が「自分の組織にスキルを伸ばすものがない」と回答した(注1)。

 Cornerstoneによると、調査対象となった雇用者の大多数である88%は「従業員のスキルを伸ばす自信がある」と回答した一方で、従業員による同意は59%だった。

 2020年以降に実施された過去の調査を踏まえると、雇用主の自信と従業員のギャップは30%前後で推移しており、雇用主は従業員が望むレベルの学習プログラムを提供していないことを示している。

 調査対象となった従業員の3分の2近くは「追加の学習コンテンツを望んでいる」と回答し、62%がコーチングやメンタリングの充実を望んでいた。

 Cornerstoneの報告書によると、人材育成プログラムの改善の余地は大きいという。多くの企業は、基本的な学習とイノベーションの探求に関する教育を提供している。しかし、これらのプログラムは自動化が遅れており、強固な学習戦略を構築するには至っていない。

 CornerstoneのCEOであるヒマンシュ・パルスレ氏は、「絶え間なく変化し、労働に関するイノベーションが起こり、人材育成に新しいサイクルが生まれる環境では、人材育成プログラムを成熟させる取り組みが求められる」と述べた。

 McKinsey Global Instituteの調査によると、経済的に厳しい状況で、雇用主が自社の差別化を図るためには従業員の能力開発が鍵になるという(注2)。別の報告書は、そのような時期に従業員はスキル向上を積極的に望む傾向がある旨を指摘している(注3)。

 これらのトレーニングから効果を得るために、雇用主はどのレベルの従業員にも、エンゲージメントや柔軟性の高いプログラムを提供する必要がある(注4)。

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