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Z世代、ミレニアル世代が上司より「TikTokのキャリア情報」を信頼するワケ

Z世代およびミレニアル世代の多くが「TikTok」でキャリアに関するアドバイスを閲覧し、その情報を基にキャリアを決定しているという。企業がTikTokから学ぶべきこととは。

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HR Dive

 ある調査によると、Z世代およびミレニアル世代の約半数が「TikTok」でキャリアに関するアドバイスを閲覧し、約20%がその情報を基にキャリアを決定している。

 しかし専門家は、「多くのクリエイターが、それをキャリアコーチングと呼んでいるが、本当のコーチングではない」と警告する。また、多くのユーザーが「アプリで誤ったキャリア情報に遭遇した」とも述べている。

 議論を生むTikTokのキャリアコーチングだが、企業はそこから学ぶべきことがあるという。

上司がTikTokから学んでほしいこと

 人事サービスを提供するResume Builderによると、Z世代とミレニアル世代の従業員の約半数が、「TikTok」でキャリアに関連するアドバイスを閲覧し、5人に1人は「そのアドバイスに基づいてキャリアを決定した」と回答した(注1)。

 さらに、同社が2023年10月に実施した調査に回答した人の約11%が「TikTokのクリエイターにキャリアコーチングを依頼するためにお金を支払ったことがある」と回答し、提供されたサービスに対して500〜1500ドルを支払うケースが多かった。

 Resume Builderで、履歴書とキャリアに関するストラテジストを務めるジュリア・トゥースアクレ氏は、声明の中で次のように述べた。

 「多くのクリエイターは、自分のキャリア経験を共有し、それをキャリアコーチングと呼んでいるが、それは本当のコーチングではない。個人的な経験はつながりを持つための手段だが、フォロワー自身の独自の経験や個性、ニーズを考慮していない」

 TikTokでキャリアに関連するアドバイスを受ける人の多くは「アドバイスを信頼している」と述べたが、多くのユーザーが「アプリで誤ったキャリア情報に遭遇した」という。

 それでも、TikTokでキャリアに関連するアドバイスを受けた人の3分の1は「その情報に基づいてキャリアに関する決定を行い、その決断が人生に良い影響を与えた」と回答した。

 アドバイスを求める傾向やキャリアコーチングに関するトレンドから、企業のリーダーは、社内におけるコーチングやメンターシップに対する従業員のニーズを検討できるだろう。実際、LinkedInの報告によると、Z世代の求職者にとって、学習機会やトレーニングは依然として就職活動において重要視する要素の一つだ(注2)。

 米国人材開発機構の最近の報告によると、2023年にはメンターシップが増加傾向にあるようだ(注3)。1対1の対面の会話が最も人気のある形式であることに変わりはないが、バーチャル・メンターシップの役割も重要性を増している。

 求人サイトを運営するFlexJobsの報告によると、トレーニングとメンターシップは、仕事の役割や期待に関する不明確さなど、仕事に対する懸念の軽減に役立つ可能性がある(注4)。特に、Z世代の従業員は上司からの「現実的でない期待」や「仕事を完了するための知識の不足」について懸念を持っている。

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