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中間管理職への投資と権限譲渡が人材難を克服する鍵のワケ

多くの経営層は、中間管理職が人材開発に果たす役割を認識していない。しかし、中間管理職に正しい権限を与えられているかどうかが、企業の成長を左右するという。

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HR Dive

 タレントマネジメントサービスを提供しているBeameryの調査によると、C-suite(※)は中間管理職が人材開発に果たす役割を認識していない(注1)。

 しかし、中間管理職に正しい権限を与えられているかどうかが、企業の成長を左右するという。

※CEO(最高経営責任者)、CFO(最高財務責任者)、COO(最高執行責任者)、CIO(最高情報責任者)など、「C」から始まる企業経営を担う役職

中間管理職が人材育成で果たす役割

 C-suiteと人事マネジャーを調査した結果、C-suiteの58%が、「人材確保は主に人事が担っている」と考えており、「現場のマネジャー」を指している人は9%であった。C-suiteは、マネジャーの役割で最も重要な部分として、従業員が次のキャリアの機会を見つけるのを支援し、チームをスキルアップの機会につなげることを挙げている。

 また、管理職の80%が「チーム内にスキルギャップがある」と回答しているが、27%は「チームメンバーがどのような強みやスキルを持っているのかを十分に理解していない」と回答している。

 調査では、「多くの場合、偉大な企業と平均的な企業を分けるのは、成長、昇進、生産性は人事部だけの責任ではなく、中間管理職の責任であることを理解しているかどうかだ。管理職への投資と権限付与は、トップだけでなく組織内のあらゆる場所で、人材難を克服しようとする企業にとって極めて重要な戦略となる」と述べられている。

 スキル開発の重要性は、人材確保のためだけでなく、人材不足を防ぐためにも高まっている。

 組織コンサルティングを提供しているコーン・フェリーのレポートによると、能力開発への投資を差し引いた場合、雇用主は2030年までに8500万人の熟練労働者が不足する可能性がある。

 2023年初めに発表されたレポートによると、スキル開発プラットフォームのUdemyでは、過去1年間にAI(人工知能)関連のトレーニングが60%増加した。また、ChatGPTに関連するコースは第1四半期中に4000%増加した。

 ジョシュ・バーシン社は、企業は継続的な労働力不足に対処するため、リスキリング、リテンション、AIに頼らざるを得なくなると述べている。

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