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コロナ禍で定着した“リモート人事”が引き起こしている問題は?

リモートの人事業務は、募集や採用、オンボーディングに問題をもたらしているという。いったい何が起きているのだろうか。

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HR Dive

 リモートの人事業務は1年前に比べて減少しているものの、多くの組織が依然として採用している。しかし、リモートの人事業務が募集や採用、オンボーディングに問題をもたらしているという。

 コロナ禍で定着した“リモート人事”によって、いったい何が起きているのだろうか。

リモート人事の課題が浮き彫りに

 MindEdge LearningとHR Certification Institute(HCRI)が2023年11月30日(現地時間)に発表した1030人の人事担当者を対象とした調査によると(注1)、回答者の半数以上が「パンデミック前に比べて採用活動が難しくなっている」と回答している。「簡単になった」と答えたのはわずか8%だった。

 また、35%の担当者は「リモートのオンボーディングは、対面のオンボーディングよりも困難だ」と回答しており、「簡単だ」と答えたのは17%だった。さらに、30%の担当者は「リモート面接は対面での面接より生産性が低い」と回答しており、「リモート面接の方が生産性が高い」と回答したのは24%だった。

 学習サービスを提供するMindEdge Learningのチーフ・ビジネスオフィサーであるブラッド・ノイエンハウス氏は、声明の中で次のように述べた。

 「多くの人々が通常の生活に戻りたいと願っているが、通常が何を意味するのかを定義するのは困難だ。米国の職場はまだ発展途上のため、今後に期待してほしい」(ノイエンハウス氏)

 この調査では、回答者の40%が「所属する組織では人事業務の全て、またはほとんどをリモートで行っている」と答えており、これは2022年の52%から減少している。また、回答者の35%は「時々、リモートでの人事業務を実施している」と回答し、残りの23%は「リモートでの人事業務を実施していない」と回答した。

 企業には他の課題もあるようだ。人事担当者の約5人に2人は「離職率がパンデミック前より高くなっている」と回答し、そのうちの12%は「離職率がかなり高くなっている」と回答した。さらに、回答者の約3人に2人が「従業員の燃え尽き症候群が増加している」と答え、そのうち23%は「自分の組織で燃え尽き症候群が大幅に増加している」と指摘している。

 身元調査サービスを提供するcheckrの最近の調査によると、勤務体系は2024年にも変化し続ける。人事チームやリーダーは、テレワークやハイブリッドワーク、対面勤務に対する従業員のニーズや嗜好を考慮する必要がある(注2)。例えば、回答者の半数以上が「テレワークよりも対面勤務が望ましい」と回答しているが、オフィス内勤務の潜在的な利点(昇進など)や、職場に出勤することにより多くの給与を支払うべきかどうかについて、複雑な感情を抱いている回答者もいる。

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