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ERP導入を成功に導く「良質なコミュニケーション」 5つの実現ステップを解説

ERPの導入は複雑でストレスの多いプロジェクトであり、効果的なコミュニケーションが求められる。「良質なコミュニケーション」の5つの実現ステップを紹介する。

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 ERPの導入では、従業員同士が効果的にコミュニケーションをとることが、プロジェクト成功の鍵を握る。コミュニケーションでは従業員のストレスを軽減し、チームに具体的な期限を知らせて責任感を生み出すことができる。その際は、質問を受け付ける方法を含めて受け手に適切な形で詳細を共有することが重要だ。

 ERPの導入プロセスにおいてコミュニケーションがどのように役立つのか、また、コミュニケーションプランを作成する際の手順について詳細を確認しよう。

コミュニケーションプラン作成の5つのステップ

 新しいERPに関するコミュニケーションプランを事前に作成することで、企業は幾つかの領域でメリットを得られる。

  • プロジェクトに関する最新情報を明確かつ頻繁に提供し、混乱や誤解をなくす
  • プロジェクトの期限について、チームに説明責任を持たせる
  • プロジェクトに対する従業員のストレスを軽減する
  • 社内での役割に関係なく、新しい導入について全従業員を巻き込む
  • 従業員が導入チームにフィードバックを送る機会を与える

 ERPの導入には多くの要素が絡むため、導入を進めるチームの中で、効果的なコミュニケーションの優先順位が下がる傾向がある。従業員が新しいソフトウェアに関する必要な情報を確実に学べるように、以下のステップに従おう。

1.コミュニケーションのタイムラインを確立する

 最初のステップは、従業員に更新情報を送信するタイミングを決定し、情報が一貫して送信されるように確認することだ。この段階で、誰が情報を送信する責任を有するかも決定する必要がある。

 導入チームはプロジェクトの期限を参考にして、コミュニケーションのタイムラインを決めておく必要がある。例えば、本格稼働の1週間前に従業員に更新情報を送信するためのリマインダーのセットが考えられる。

2.どの情報を共有するかを検討する

 情報を発信するタイミングを決定したら、導入チームのメンバーは新しいERPに関するコミュニケーションの中で共有する情報の量を決定すべきである。

 例えば、ソフトウェアの導入に関する技術的な情報の全てを知る必要のない従業員もいるだろう。導入チームが過剰な量の情報を送信すると負担をかけてしまう場合がある。従業員の役割に応じて異なるメッセージを送ることが一般的だ。各グループに合わせた情報を伝えることが重要なのだ。

 新しいソフトウェアの導入は、どの企業にとっても大きな変化となる。ポジティブなトーンでコミュニケーションし、新しいテクノロジーに対して従業員が感じる不安にも配慮しよう。

3.利害関係者との整合性の確保

 混乱を避けるため、導入チームは、従業員に伝える情報や送信のタイミングについて企業のリーダー全員の足並みがそろっていることを確認する必要がある。例えば、CEOは12月の休暇が終わった後に新しいERPを発表したいと考えているかもしれない。ステークホルダー間の調整が不足すると、リーダーが異なる情報を従業員に伝えてしまい、混乱を招くことがある。

 チームのメンバーは、全てのステークホルダーとコミュニケーションの内容やそのタイミングについて話し合っておくべきだ。

4.フィードバックの機会を作る

 導入チームは、従業員がソフトウェア導入に関するフィードバックを稼働前と稼働後に送付できるような機会を作るべきだろう。これにより従業員のストレスを軽減し、導入チームの助けにもなる。

 チームは、ERPの導入に関するコミュニケーションを計画する際に、プロジェクトに関する従業員のフィードバックをどのように収集し、誰がそのフィードバックを適切なチームメンバーと共有するかを検討する必要がある。

5.問題点について透明性を保つ

 ERPの導入において問題が発生した場合、その問題について正直に説明し、導入チームがどのような対策を取っているかを共有すべきだ。これによって導入チームへの信頼を高められる。

 また、導入チームは従業員のフラストレーションを軽減するために、問題が発生した場合は可能な限り早く説明をするべきだ。例えば、ソフトウェアの稼働日が延期になった場合、従業員には可能な限り早く知らせる必要がある。

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