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「予算配分おかしくない?」IT担当者が読んだ情シス川柳 〜IT予算、会社への不満編〜

IT予算の使い道やIT戦略において、会社と現場の従業員にズレが生じることはよく聞かれることだ。アンケートで募集した情シス川柳から、情シスのホンネが見えてきた。

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 本連載では、キーマンズネットが企業の情報システム部門を対象に実施したアンケート(実施期間:2024年8月7日〜10月4日、回答数:246)の結果を基に、情シス部門の課題や担当者の働き方、スキル、対応に追われた業務など、現場の実情を紹介した。ここからは番外編として、アンケートで募集した「情シス川柳」を複数回にわたってお届けする。

 情シス担当者の悩みや、現場では言えないホンネが垣間見える川柳が多数集まった。本稿で取り上げる川柳は、情シス部門の現場課題そのものが映し出したされたものだと思われる。情シス部門の課題解決の手掛かりが見つかるかもしれない。なお、中には字余りの句があることをご了承いただきたい。

「お金の使い方間違っていない?」現場と経営層の理解の不一致

 本稿では、情シス担当者から寄せられた川柳のうち「上層部、経営層の理解」「IT予算、コスト」をテーマに、経営層に抱くジレンマや限りのあるIT予算の振り分け方への不満を読んだ11句を紹介する。

 まずはIT予算、コストに関する川柳を見ていこう。

 IT投資戦略について、上層部と現場の考えが必ずしも一致しているとは限らない。現場では必要としているツールやシステムであっても購入を却下され、経営層の判断に疑問を抱いている情シス担当者もいるだろう。次の川柳は、そうした担当者の声を映し出したものだと思われる。

投資より 目先のコスト 減らされる (従業員数/501〜1000人、業種/流通・サービス業)

レガシーなIT資産に苦しむ声

 ご存じの通り、2025年10月に「Windows 10」のサポートが終了する。だが、「Windows 11」への移行どころか、PCのリプレース予算が十分に確保されていない現状を読んだ川柳もあった。そうしたレガシーなIT資産に苦悩する4句を紹介する。

古パソコン いつ壊れるか 冷や冷やし (従業員数/100人以下、業種/製造業)

予算なし 人材なしも システム化 (従業員数/1001〜5000人、業種/その他《教育、医療、官公庁など》)

古いシステム いつまで使う 後継者なし (従業員数/1001〜5000人、業種/IT製品関連業)

新ツール 導入したい 予算くれ (従業員数/1001〜5000人、業種/IT製品関連業)

進むクラウドシフトとサブスク化

 キーマンズネットでも連載で取り扱ったが、2024年、ユーザー企業だけでなくSIerやベンダーをも巻き込み大きな問題となったのが、VMware製品のライセンス変更だ。ご存じの通り、従来の永続ライセンスは廃止され月額課金制のサブスクリプション型に移行した。単体製品の販売もなくなり、バンドル製品中心のラインアップになった。次の2句は、そうした課金形態の変更やクラウドシフトへの対応コストへの苦悩を読んだものだ。

貧乏な 組織はつらい サブスク化 (従業員数/101〜500人、業種/その他《教育、医療、官公庁など》)

クラウド導入 便利だけど コスト怖い (従業員数/101〜500人、業種/その他《教育、医療、官公庁など》)

経営層の理解のなさを読んだ情シス川柳

 次は、予算の配分やIT戦略を決定する経営層、会社の方針への不満を読んだ句を紹介する。

 以下の2句は、経営層への不満をダイレクトに読んだ句だ。組織全体の収益を考えて判断する経営層と、現場目線で必要なシステムの導入などを考えるIT部門の間にはギャップが生まれやすい。このズレを生まないためにもIT戦略に対する共通理解を両者で持つことが重要だが、それが不十分だと思われる。

提案を 理解できない 上層部 (従業員数/1001〜5000人、業種/IT製品関連業)

結局は わかってないのが 経営層 (従業員数/101〜500人、業種/IT製品関連業)

 その他、現場の事情や声はそっちのけで役員の独断で事が進んだり、両者の見解違いで役員にうまく伝わらず、それに対して不満を表す句もあった。

役員の 鶴の一声で買う iPad (従業員数/501〜1000人、業種/流通・サービス業)

役員の 理解不足に 嘆く情シス (従業員数/501〜1000人、業種/流通・サービス業)

 いかがだっただろうか。思わず共感してしまう川柳もあったのではないだろうか。本稿で紹介したような不満が積もり積もると、IT部門の人離れを招く恐れがある。人手不足が深刻化する中で、組織のデジタル化や業務変革などIT部門が中心となって進めるべきことが多く、情シスの離職はできるだけ回避したいところだ。

 本稿では、IT部門の抱える課題が現れた川柳を紹介した。次回も引き続き、寄せられた川柳を紹介していく。

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