「アポ取り地獄」から解放か 1日数千件テレアポをこなす「話すAI」が登場

人手不足や通話の非効率化といった営業課題に対応するソリューションとして、自然な対話でアポを獲得する「話すAI」がリリースされた。営業がテレアポをする時代の終わりは近づいているのか。

[後藤大地，有限会社オングス]

　AIdeaLabは、会話AIを活用した電話営業支援SaaS「AIテレアポくん」の正式リリースを発表した。

　音声合成とリアルタイム対話技術を組み合わせることで人間のように自然な会話ができ、アポイントを獲得する電話AIエージェントだ。これまではベータ版として提供されていたが、2025年5月29日に正式版の提供が開始された。

営業の「アポ取り地獄」を代行する「話すAI」とは？

　近ごろ、営業現場では採用難や人材定着率の低下、教育コストの増加といった人材面の課題が顕在化している。加えて、受付突破の難易度上昇や通話の非効率化も深刻なボトルネックとなっており、営業体制の再構築が急務とされてきた。

　こうした状況を受け、AIテレアポくんはAIによる自動架電によって初回接触からアポイント獲得までをトータルで担うソリューションとして登場した。営業担当者は、より本質的な商談業務に専念できる。

　本サービスの主な特長は次の5つだ。

1．人間さながらの自然で柔軟な対話

　高精度な音声合成とリアルタイム対話技術により、会話の流れに応じた自然で臨機応変な応答が可能だ。単なる録音の再生とは異なり、実際の会話に近いやりとりを実現する。

2．高品質で聞き取りやすい音声

　抑揚や間の取り方、スピードなどを人間の話し方に近づけ、ストレスの少ない快適な通話体験を提供する。

3．24時間365日の大量自動架電

　早朝や夜間、休日にも稼働可能で、1日当たり数千件の架電に対応する。従来接触が難しかった見込み客へのアプローチも可能だ。

4．確度の高いリードは営業担当へ自動引き継ぎ

　興味を示した顧客の情報はリアルタイムで担当者に共有する。アポイント日時も自動で調整し、営業チームの生産性向上に貢献する。

5．通話内容は全て自動で記録・分析

　通話は全てテキスト化、保存され、後から確認や分析が可能だ。AIの継続的な改善と、トップ営業のノウハウを可視化し、再現が容易になる。

　今後は、対話精度のさらなる向上を目指して音声AIの高度化とUI／UXの最適化を進める予定だ。また、この技術を活用し、コールセンター全体のAI化や自動化の支援にも取り組む考えだ。

　現在は正式リリースを記念し、30社限定で無料トライアルも実施している。営業活動の効率化やコールセンター業務のDXを検討する企業にとって、新たな選択肢となりそうだ。