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DatabricksとGoogle Cloudが提携 データと「Gemini」をつなぎやすく
DatabricksはGoogle Cloudと提携し、「Gemini 2.5」モデルを自社プラットフォームにネイティブ統合した。企業は自社データを移動せずに高度なAIを活用でき、ガバナンス強化と業務効率化を同時に実現できる環境を整備できる。
Databricksは2025年6月13日、Google Cloudとの戦略的AIパートナーシップを発表した。Googleの大規模言語モデル「Gemini」シリーズの最新バージョンが、Databricksの「データ・インテリジェンス・プラットフォーム」(DIP)上でネイティブに利用可能となる。
「Gemini 2.5」をネイティブ統合
今回のパートナーシップは、企業が自社データに直接アクセスしつつ、GeminiのAIモデルを活用できる点にある。AIエージェントの構築や展開、スケーリングを単一のプラットフォームで実行できるため、これまで課題となっていたデータの移動や分散管理の複雑さを軽減できる仕組みだ。
Geminiの最新モデル「Gemini 2.5 Pro」と「Gemini 2.5 Flash」は、SQLクエリやモデルエンドポイントを介して直接操作でき、従来のように複数のシステム間でデータを統合する必要がない構成になっている。
今回のパートナーシップのハイライトは次の通りだ。
- Databricksへのネイティブ統合:Geminiモデルはデータ・インテリジェンス・プラットフォームのネイティブ製品として提供され、利用料の請求もその枠組み内で行われる。データを複製することなく、企業データに安全かつ直接アクセスできる
- ドメイン特化型のAIエージェント:企業はGeminiモデルを使って複雑なデータセットとワークフローを処理できるAIエージェントを開発できる。高度な推論と大規模なコンテキストウィンドウのサポートも含まれる
- 統一されたガバナンス体制:Databricksの「Unity Catalog」は、正確性やセキュリティ、企業倫理への準拠を支援し、エンドツーエンドのガバナンスと責任あるAI利用を保証する
- 生産性の向上:AIエージェントはGeminiを活用してビジネスプロセスを自動化し、ライブデータからインサイトを生成し、最新かつ文脈に即した回答で意思決定を支援する
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