北陸銀行が音声AIを試験導入 パンク状態の窓口を自動化し「あふれ呼」を解消へ
北陸銀行は、音声AIエージェント「AI Worker VoiceAgent」の試行導入を開始した。法人向けインターネットバンキングのFAQ対応を自動化することで、電話集中時に発生する「あふれ呼」や待機時間の増加といった課題の解消を目指す。
サイバーエージェントグループ企業のAI Shiftは2026年5月11日、北陸銀行で電話対応用音声AIエージェント「AI Worker VoiceAgent」の試行導入を開始したと発表した。法人向けインターネットバンキング(法人IB)の問い合わせ対応の一部を自動化し、電話集中時に発生していた「あふれ呼」の抑制と顧客対応品質の向上を図る。
問い合わせの待機時間増加と対応機会損失をAI音声botで解消目指す
北陸銀行では法人IB利用者の増加に伴い問い合わせ件数も増加しており、特定時間帯に電話が集中して全件対応できない状況が課題となっていた。これにより、利用者の待機時間長期化や問い合わせ機会の損失が発生していた他、銀行側でも効率的な対応体制の整備が求められていた。
FAQ対応の自動化に加え、自然な音声対話に対応できる点が評価され、AI Worker VoiceAgentの導入に至った。高い音声認識性能を備える他、既存の問い合わせフローにも柔軟に組み込める。金融機関に求められる安定した顧客対応への適合性も、導入を後押しした要因の一つとなった。
同サービスは、従来型のボイスbotとは異なり、利用者の発話内容から要件を自動で判別できる点が特徴だ。表現の違いや曖昧(あいまい)な言い回しにも対応しており、「どうされましたか」といった自然な問いかけから会話を始められる。
運用は2026年5月から法人IBヘルプデスクで開始され、AIがFAQなど定型的な問い合わせの一次対応を担い、行員は専門知識を要する案件や個別対応が必要な相談に注力できる。
北陸銀行は今後、分散している問い合わせ窓口の統合も進め、利用者にとってより分かりやすく利用しやすいサポート環境の構築を目指す。将来的には法人IB以外のサービス分野への展開も視野に入れており、運用実績や利用者の声を踏まえながら対象業務を拡大していく方針だ。AI Shiftも、北陸銀行におけるAI活用の高度化や業務効率改善に向けた支援を継続していくとしている。
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