PDF帳票設定を約3分に短縮 エムザス、kintoneプラグインをAI強化
エムザスは、kintone向けプラグイン4製品について生成AI機能を追加し、アップデートした。PDF帳票へのフィールド自動配置や自然文でのデータ検索、ログ分析、JavaScript連携の可視化によって、現場と管理者の運用負荷軽減を狙う。
エムザスは2026年5月12日、「kintone」向けプラグイン4製品に生成AIを活用した新機能を順次追加すると発表した。対象は、帳票出力の「EMレポ」、一覧操作の「EMsheet」、操作ログ管理の「EMログ」、設計情報の出力や分析を担う「EMdocMaker」だ。
対話型ログ分析、JavaScriptコードの解析可視化機能も
今回のアップデートでは、現場の定型作業を減らす機能が強化された。
EMレポでは、請求書や納品書などのPDFを読み込ませることで、けい線や文字の配置を解析し、kintoneのフィールド出力枠を自動で割り当てる機能を追加した。従来、新規の帳票設定に約30分かかっていたものを、約3分に短縮できるという。帳票設定時の細かな位置調整が負担になっていた現場では、導入初期のハードルを下げる効果がありそうだ。
EMsheetでは、自然文による検索や抽出条件の指定に対応する。「先月受注した、関東の企業リストを出して」といった表現から条件を解釈し、データを抽出できる。標準機能では複数条件の設定に手間がかかる場面もあり、検索や一覧編集の作業をkintone内で完結しやすくする。
管理者向けでは、EMログに対話型のログ分析機能を搭載する。「営業時間外の不審なアクセスはあるか」といった問い掛けで該当ログを抽出し、異常な操作パターンの把握を支援する。ログを取得していても読み解けないことが課題になりやすい監査対応や内部統制の文脈において、分析の難易度を下げることが狙いだ。
EMdocMakerでは、JavaScriptのコードを解析してアプリ間の連携関係を可視化する機能を追加する。前任者が実装したカスタマイズの影響範囲を把握しにくいという、kintone運用で起こりがちな属人化に対応する。エムザスは、これらの機能により調査・運用工数を最大90%削減できるとしており、単なる操作支援にとどまらず、継続的な運用管理を効率化するという。
各生成AI機能は回数制限があるものの、プラグインの標準料金内で利用可能だ。使用する生成AIプラットフォームの利用規約に基づき、プログラム内容やログデータが外部学習モデルに利用されることはない。kintone活用の裾野が広がる中で、現場の使い勝手と管理部門の統制対応の両方をどう支えるかが、今回のアップデートの焦点になっている。
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