なりすましメール対策 証券会社が大手企業に先行して強化
TwoFiveは、日経225企業と証券会社のドメインを対象にDMARC導入状況を調査した。日経225企業では導入自体はほぼ完了した一方、隔離・拒否を伴う保護ポリシーの適用は限定的で、証券業界の方が対応が進んでいる実態が明らかになった。
TwoFiveは2026年5月21日、なりすましメール対策の実態調査の結果を公表した。調査対象は、日経225企業が管理・運用する9301ドメインと、日本証券業協会の協会員企業が管理・運用する421ドメインだ。調査では、各ドメインのDMARC(送信ドメインの認証技術)導入状況、ポリシー設定、BIMI(DMARC認証済みのメールに企業ロゴを表示させる認証技術)対応状況などを、DNSレコードから確認したとしている。
対応進む証券会社の保護ポリシー 日経225企業に先行
日経225企業では、225社中213社が少なくとも1つのドメインでDMARCを導入しており、企業数ベースの導入率は94.7%だった。サブドメインへの継承を含めた実質的なドメイン適用率は89.1%で、TwoFiveは大手企業でDMARC導入がおおむね進んだとみている。
一方で、導入済みドメインのうち、隔離や拒否を行う強制力のあるポリシーを設定したドメインは限定的だった。日経225企業では、少なくとも1つのドメインで強制力のあるポリシーを設定した企業は69.8%に増加したが、サブドメイン継承分を含めた実質ドメインベースの保護率は18.5%にとどまり、80%超のドメインは監視中心の「none」設定段階にあるという。
これに対し、証券会社では対応がより進んでいる。日本証券業協会の協会員企業では、少なくとも1つのドメインでDMARCを導入している企業が約81.0%、実質的なドメイン適用率が90.7%、強制力のあるポリシーで保護されるドメイン率が48.7%となり、日経225企業の18.5%を大きく上回った。
金融庁によると、証券会社の口座乗っ取りによる不正取引が2025年上期以降増加し、2025年度を通じた被害額は約8000億円規模に上る。また、日本証券業協会が2025年10月にガイドラインを改正し、顧客向けメールのドメインにDMARCを計画的に導入した上で、最終的に「reject」ポリシーにする内容を盛り込んだことも、対応を後押しした要因と、TwoFiveは分析する。
なお、証券会社のBIMI対応では、VMCまたはCMCをDNS上に公開しているドメイン数が同期間で5ドメインから21ドメインに増えた。DMARC導入は広がっているものの、実際になりすましメールを隔離・拒否する段階まで進められているかが、今後の運用上の焦点になりそうだ。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
巨大データセンターはもう不要? 2割のコストで不足を解決するトンデモ秘策:881st Lap
生成AIブームで、世界はいま空前のデータセンター不足に陥っている。そんな中、「巨大データセンターを作らずにAI需要をまかなう」とうたう企業が現れた。しかも、建設コストは従来のわずか5分の1だという。
23歳の期待のエースが突然「辞めたい」 ノーコードが退職でも活躍ってどういうこと?
社長の目にとまり、アルバイトから正社員へ抜てきされた23歳のエース。そんな彼が突然「早く辞めたい」と吐露した。ノーコード/ローコードツールが彼にとって「円満退職の武器」になるというが、一体どういうことか。
どのAIが“最強”なのか AI活用を考えていたらAI以外の話になった
業務を効率化するなら、どのAIサービスを選べばよいのか。最初は「Google Workspace中心ならGemini、Microsoft 365中心ならCopilot」といった、利用環境に合わせた選び方が自然に思えた。だが、業務の中身を分解してみると、少し違う景色が見えてくる。
2027年、情報処理技術者試験が刷新 2026年終了の試験と新設のデータ試験を徹底解説
IPAは2026年3月31日、2027年度以降のITパスポート試験含む各種試験の見直しに関する最新の検討状況を公表した。編集部では、試験の移行によりどのような変化があるかについて、公表された内容からさらに切り込んで取材した。