NTTドコモ、Dell製品活用で7年総コスト半減へ コスト圧縮の“内訳”は?
Dell Technologiesは、NTTドコモの共通基盤刷新にPowerMaxやAPEXを提供した。7年総コストを旧環境の半分以下に抑え、運用工数も4割減らす見通しだ。突発需要へ即応し、省電力、省スペースも図り、26年後半に移行予定としている。
Dell Technologies(以下、Dell)は2026年6月22日、NTTドコモのグループ共通情報インフラ基盤の全体最適化と運用効率化を支援するために、Dellサービスを提供したと発表した。
提供したサービスは、ハイエンドストレージ「Dell PowerMax」と、バックアップストレージ「Dell PowerStore」、サブスクリプション型のインフラ調達モデル「Dell APEX Subscriptions」、インフラ運用サービス「Dell Managed Services」の4つだ。
NTTドコモは買い切り型からサービス利用型に移ることで、7年間のトータルコストを旧環境の50%以下に抑える見込みだ。運用管理の工数と時間は約40%削減し、メンテナンス作業時の調整時間も1件当たり3時間余り短縮した。
ドコモ基盤刷新、Dell APEX採用の背景と効果
NTTドコモは通信領域に加え、「dポイント」や「d払い」など、金融・決済を含むスマートライフ事業を展開している。これらの事業を支えるBSS領域のシステムには、社会・公共インフラを担う責任に見合う信頼性と可用性が求められる。安定性を土台に、新サービスの創出を支えるスピードとアジリティを高める必要もあった。こうした課題を受け、ITインフラでは長期の安定稼働を守りつつ、変化に柔軟に応じる運用基盤への高度化と、運用負荷の適正化がテーマとなった。
今回のサービス導入の狙いは、共通基盤全体のコスト構造と運用品質をまとめて見直す点にある。NTTドコモのグループ共通情報インフラは多様な事業を支えるため、性能だけでなく、需要変動への対応速度や設備面の効率、運用チームの負荷軽減も問われる。買い切り型では将来需要を見越した投資や資産更新の負担が発生しやすい。サービス利用型に移ることで、必要な容量やサービス内容に応じた調達へ切り替え、コストを抑えながら基盤の柔軟性を高める構えだ。
基盤の中核には、既存システムとの親和性を保ち、将来の拡張や運用高度化にも備えられるDell APEXを採用した。選定において、従量課金制とマネージドサービスの仕組みが整い、コストを抑えやすい点が決め手となった。PowerMaxについては、高い性能と圧縮・重複排除率を両立する点が評価された。基幹システム分野でサービス利用型や従量課金型を採用する取り組みは、NTTドコモグループで初となる。
導入の中核となるPowerMaxは、業界最高水準の性能を維持しつつ約1対5の圧縮・重複排除率を確保する設計だ。実環境では約1対6から1対8の削減率を達成した。ハードウェア台数を減らし、設置スペースと電力消費量を旧環境のほぼ半分に低減した。Dell APEXの活用により初期投資の負担を軽くし、突発的な需要変動へ迅速に応じられる従量課金型の環境づくりも支えた。
運用面ではDell Managed Servicesを導入し、インフラ運用管理業務の高度化を支援した。NTTドコモにおいて、メンテナンス作業時に必要となる調整時間が1件当たり3時間余り短くなり、インフラ運用管理にかかる工数と時間を約40%削減した。従量課金制のPowerMaxと高度な運用サービスを組み合わせたことで、GB単価は従来比で約50%抑制できた。7年間のトータルコストも旧環境の50%以下となる見通しだ。資産を所有する場合に発生する定期リプレース作業などの負担も減り、戦略的な業務へ人員や時間を振り分けやすくなった。
プロジェクトは2026年後半に旧システムから新しいシステム基盤への全面移行完了を予定する。NTTドコモ情報システム部プラットフォーム戦略担当の山本幸祐担当課長は、新共通基盤にPowerMaxを採用した結果、インフラの性能や信頼性、アジリティを高めつつ、コスト削減を図れたと説明した。Dell Managed Servicesにより、サービスの可視性や運用チームの稼働率も改善したとし、Dell APEXによる調達プロセス改革も成果に挙げた。今後は得られた利点を生かし、市場環境の変化への即応や新たな価値提供に挑む考えを示した。
Dell Technologiesの執行役員でテレコムメディア営業統括本部長の毛利祐介氏は、PowerMaxの高い性能と圧縮・重複排除技術に、Dell APEXとDell Managed Servicesを組み合わせ、コスト削減と運用効率化の両立を実現したと述べた。NTTドコモが高品質なネットワークサービスや金融・決済など幅広い事業を展開するなかで、システムインフラの信頼性と可用性を確保できるよう支援を継続する考えを示した。
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