市場規模は2012年度に72万ライセンス、280億円に達すると予測されるシンクライアント(ミドルウェア)。シェア情報を紹介する。
富士キメラ総研の調べによれば、シンクライアント市場は、2005年の個人情報保護法施行や大手メーカーの市場参入を契機に製品の認知度が高まり、拡大が進んでいる。内部統制に向けたセキュリティ強化と、競争の激化から来る関連製品の低価格化が要因となり、さまざまな業種、中堅中小企業へと裾野の広がりが見られる。
シンクライアント環境を実現するミドルウェアの2008年度の市場規模は、数量ベースで前年対比28.5%増の22万1000ライセンス、金額ベースで22.1%増の94億円と見込まれている。また、今後も増加を続け、2012年度には72万ライセンス/280億円に達すると予測される。
市場占有率を見ると、Windowsサーバとの親和性に優れた製品を主力製品に持つベンダーが数量でシェア約7割、金額で約86%を占めている。同社の製品は先駆者としてブランド力を確立しており、従来の大手顧客に加え、中堅企業にも広がったことで販売実績を伸ばしている。
2位以下のベンダーは同社との競合回避や差別化策として、主に中堅中小企業向けに価格訴求を中心とした戦略で販売し、また特定業種、業態で得意分野を形成している。
今後も引き続きセキュリティ強化のための導入が中心とみられるが、サーバ側に全てのデータやリソースを持つ同システムは可搬性にも優れていることから、将来的にフリーアドレスや在宅勤務を含むテレワークへの適用が進むものと予測される。
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