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「ギガ」提供は集客効果あり? シスコが個人商店向けAPを提供するワケ(1/2 ページ)

シスコシステムズのネットワーク装置をECサイト「Amazon」で直接購入できるようになった。箱を開けて5分でゲストWi-Fi付きの無線LANアクセスポイントをセットアップできるという。全国の小規模事業主が気軽に顧客に「ギガ」を提供できるようになる。

» 2019年04月22日 08時00分 公開
[二瓶 朗キーマンズネット]

 「ギガが足りない」としてWi-Fiを求めてさまよう民衆の映像を使った携帯電話キャリア企業のコマーシャル作品が記憶に新しい。

 趣味のコミュニケーションの合間に業務連絡やちょっとした調べものをしたり、あるいは私用で中抜けした場所で、仕事の連絡を取りたいかもしれない。スマートフォンなどのモバイル機器をいつでもどんな場面でも利用したいと願うのは決してスマホ中毒の方々だけではないだろう。市街地で活動する人ならば無料Wi-Fiのある大手カフェチェーンやコワーキングスペースの場所を事前にチェックしておくことも少なくない。

 一方で、美容サロンや雑貨店、飲食店などの「個人商店」と呼ばれる小さな組織は日本全国にたくさん存在する。大掛かりなIT投資をする規模ではないが、業務用PCや決済端末向けのネットワーク回線は引いているかもしれない。こうした組織にとって、ゲストWi-Fi機能を持つ「Cisco Meraki」のような製品は実はそれでも導入ハードルが高いものだった。「Webブラウザで192.168.0.1にアクセスして、暗号化やパスワードは……」と特殊なIT用語でセットアップを指示するツールは、決して一般のユーザーにとってフレンドリーなものではない。

 日本全国どこに行っても「ギガ」を求める顧客に「ギガ」を提供して集客できるのは、アクセスポイント設置のこうした難しさに対応できる、IT担当がいるような大手チェーン店、IT通のいる一部の事業者に限られてしまうのが現状だ。

 こうした状況を受け、シスコシステムズ(シスコ)も戦略を練る。Merakiを始めとする「Cisco Start」ブランドによって、シスコのネットワーク機器が大企業以外でも使いやすくなっていることは既報の通りだ。だが、ネットワーク技術者でない利用者が「購入して5分でゲスト用Wi-Fiを運用できる」というのは信じられるだろうか。

 しかもSIを介さず直販で、だという。すわパートナービジネスから舵を切るのかというと、そうではない。狙いはどこにあるか。

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