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次世代BI「データディスカバリツール」、これまでのBIとの違いは何?IT導入完全ガイド(3/5 ページ)

次世代BIともいわれるデータディスカバリツール。しかし「BIとの違いって何?」という声は多い。基本的な考え方から事例で読み解く。

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データディスカバリツールで実現できること

 データディスカバリツールは、各PCに保存されたローカルなExcelファイルから基幹システムのDBまで、多様なデータソースに直接アクセスしてデータを収集することを基本とする。これにより、正確なデータをタイムラグなく利用することが可能となる。

 最近ではインメモリDBとの接続をサポートしたデータディスカバリツールも登場しており、数百万件から1千万件以上といった大規模データを高速処理することが可能だ。

最小のシステムレイヤーとシンプルな構成
図5 最小のシステムレイヤーとシンプルな構成(例)(出典:SAPジャパン)

 データディスカバリツールを利用することでビジネスユーザーは、直感的な操作によりデータを自由な形式のグラフやチャートに可視化(ビジュアライズ)することができる。データの視認性が高まり、仮説検証や問題解決をスピードアップする。

簡単なレポートから深い洞察までさまざまなビジネスシーンでの活用(例)
図6 簡単なレポートから深い洞察までさまざまなビジネスシーンでの活用(例)(出典:SAPジャパン)

 多くのデータディスカバリツールは、従来のBIツールのデータモデルとは異なるアプローチにより、IT部門に頼らないビジネスユーザー自身による分析を実現する。

 例えば、「連想技術」と呼ばれるテクノロジーでは、IT部門があらかじめ策定した分析ルートではなく、ビジネスユーザー自身の課題と思考に基づいてあらゆるデータを自由に分析することが可能だ。予想外の知見や次につながるヒントを得られる場合もある。

BIのデータモデルとQlikの連想技術
図7 BIのデータモデルとQlikの連想技術(出典:アシスト)

 従来のBIツールでは、ユーザー要件を基に仕様を確定し、キューブやデータマートを設計する必要があった。すなわち、ビジネスユーザーが「何を見たいのか」が明確になるまでシステムを作ることができなかった。

 これに対してデータディスカバリツールは、ビジネスユーザー自身のセルフサービスを基本としており、要件定義や追加開発にコストや手間をかける必要はない。「質の高い正確なデータをタイムリーに提供する環境を整備する」という役割に徹することで、ビジネスユーザーの迅速な意思決定を支援し、経営にも貢献できる。

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