特集
ワークスタイル変革と勤怠管理システムの導入状況(2017年)/前編:IT担当者300人に聞きました(2/3 ページ)
キーマンズネット会員430人を対象にアンケート調査を実施した。自社の働き方と勤怠管理の連動性など働き方変革に乗り出す企業の実態が明らかになった。
ワークスタイル変革で勤怠管理方法を「変更した」
ワークスタイル変革を実施するに当たり、現行の「勤怠管理方法」に変化はあるのだろうか。ワークスタイル変革を行った、もしくは行う予定の企業に聞いた。
すると「勤怠管理方法も変更した(または変更する予定である)」が38.7%、「勤怠管理方法に変更はない(または変更する予定はない)」が35.9%と、回答が二分した(図2)。
以下にその具体的な内容について挙げられた声を抜粋しよう。
まずは、勤怠管理方法も変更した(または変更する予定である)と回答した人のコメントだ。
勤務制度に関する変更
- 時差出勤、時短勤務の時間帯バリエーションを増やした
- 直行直帰や出勤時間を前後させることの自由化などを行った
- 在宅勤務やテレワークが可能になった
- Webサイトからの入退勤を可能にし、自宅やサテライトオフィスでの作業を可能にした
残業に関する変更
- 残業時間を1分単位で計測するように変更
- 残業時間の制限を厳しくし、申請を煩雑にして残業をしにくい制度に変更した
出退勤管理に関する変更
- 入退室時間と勤務表上の差異をチェックする基準を1時間から30分に変更した
- ICカードによる出退勤時刻を自動採取するようにした
- モバイルからの出退勤打刻が可能になった
次に「勤怠管理方法に変更はない(または変更する予定はない)」と回答した人のコメントだ。
問題なく運用できている
- 従来通りのタイムカードを利用しているが、全く不便に感じていない
- 有給は取りやすい職場なので問題はない
- もともと自己管理に任せている(勤務時間を取得していない)ため特に問題はない
変更がないことで不便に感じている
- 自宅での業務時間が勤怠管理に反映されない
- 勤務形態が多種多様で出社パターンの入力が大変
- 新しい働き方の定義が進んでいないため、具体的な施策に移れない
ワークスタイル変革で勤務形態や契約形態が多様化すると、業務内容や勤務時間の管理、評価基準など現状制度の見直しが必要になるケースも少なくない。従業員により柔軟な働き方を認めるとともに、業務効率を向上させさらなるパフォーマンスを発揮してもらうための施策であるはずが、関連する制度の整備が不十分で、逆に従業員に負担を課し、業務効率を下げてしまうことは避けなくてはならない。現状の体制で問題なく運用できていれば心配ないが、ワークスタイル変革と業務・勤怠管理および人事評価などの制度は必ず合わせて見直すべきだろう。
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