クラウドカメラが窃盗の瞬間をとらえた、工事現場が抱える課題を大幅改善:事例で学ぶ!業務改善のヒント(2/3 ページ)
建設現場の人手不足が騒がれているが、実はもう1つ大きな課題がある――資材や工具の盗難だ。中堅ゼネコンの今西組はあるITを導入したことで、犯罪の瞬間を捕えることに成功した。そのリアルな様子を紹介しよう。
導入半年後に、盗難の「決定的瞬間」をキャッチ
それまで今西組では、数カ月に1件程度のペースで盗難の被害を受けてきたことに加え、犯人の特定はできなかった。しかしSafie導入後は、盗難の被害が減ったという。
「以前、撮影機能のない『ダミーカメラ』を現場に設置したことがあります。でも、窃盗犯には偽物であることが分かってしまうようで、ほとんど効果はありませんでした。一方、Safieを導入してからは、盗難の被害を受ける頻度が明らかに下がったのです。これだけでも、導入した効果は上がったと感じています」(今西氏)
また、導入効果は2017年の4月に顕著に表れた。ある現場で盗難事件が起きたのだ。その際に、Safieの録画映像が大いに役だった。「深夜、3人組の窃盗犯が車で資材を運び去ったのですが、残された映像には窃盗犯の背格好や、現場から走り去った車の車種などがばっちりと記録されていました。映像データは警察に提出したため、捜査は恐らくスムーズに進むでしょう」(今西氏)
これを機に、今西氏はSafieの威力を再認識。現在は、できるだけ多くの現場で導入を進めているところだ。「建設業界では、国土交通省の主導で『i-Construction(アイ・コンストラクション)』という取り組みが進んでいます。これは、ITを建設現場に導入することで、生産性を高めようとする施策のこと。この一環で、当社のように防犯カメラシステムを導入すると、公的施設の入札などで有利になります。こうしたメリットもあるため、当社では官公庁関連の建設現場を中心に積極的に導入を進めていく方針です。
クラウド型のシステムだという点も、Safieの長所の1つです。既存の防犯カメラシステムは、一度導入すると同じものをずっと使い続けることになるでしょう。一方、Safieはクラウド型のサービス。今後も、バージョンアップを重ね、機能や使いやすさがさらに高まるのではないかと期待しています」(今西氏)
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