IT関連の資格取得状況(2018年)/後編:IT担当者300人に聞きました(1/3 ページ)
後編では、読者332人を対象に、「取得目的」「取得にかかる期間」「勉強方法」と現在注目する資格を尋ねた。資格を取得するのは「業務のため」か「自己メリットのため」か。また、今注目を集める資格とは何か。
キーマンズネットは2018年9月27日〜10月15日にわたり、「IT関連の資格保有に関するアンケート」を実施した。全回答者数332人のうち、情報システム部門は45.5%、製造・生産部門が10.8%、営業・販売・営業企画部門が13.2%、経営者・経営企画部門が5.1%などと続く内訳であった。
今回は、IT関連資格の「取得目的」や「取得にかかる期間」「勉強方法」「取得しない理由」など資格取得に関連した質問を展開。なお、グラフ内で使用する合計値と合計欄の値が丸め誤差により一致しない場合があるので、事前にご了承いただきたい。
資格は「業務のため」か「昇進のためか」重視するポイントは?
前編では、全体の約8割が何らかのIT関連の資格を保有し、特に若手での取得が進んでいることやセキュリティ分野の資格に注目が集る現状について説明した。
併せて2017年の調査結果と比較して資格保有率が高まる現状についても触れたが、そもそも資格習得を検討するきっかけは何か。その理由を探るために、今回は資格取得の際に重視するポイントについて尋ねた。回答の多い順に、1位は「スキルアップにつながるか」65.0%、2位は「実務に生かせるか」54.5%、3位は「取得メリットがあるか(待遇や昇進につながるなど)」43.2%、4位は「取得しやすさ/難易度」37.0%という結果となった。
資格取得の重視ポイントは、「スキルアップにつながるか」という内発的な理由が高い割合を占めた。また、「企業内の情報システム部門や技術部門において業務上で専門知識を必要とするケース」と「ITベンダーやシステムインテグレーターなどで取得を求められる立場にいるケース」など、半ば必要性に駆られて取得するパターンが多いのか、「実務に生かせるか」も重視するポイントとして上位に挙がった。
資格取得に積極的な人がいる一方で、取得に後ろ向きな人もいる。そこで、今回のアンケートで「今後、IT関連資格を取得する予定があるか」という設問において、「予定がない」と回答した人に対して、その理由を尋ねたところ、1位は「必要性を感じないため」52.0%、2位は「資格を取得するメリットがないため(待遇や昇進などにつながらないなど)」41.5%、3位は「仕事などで忙しく勉強時間が取れないため」21.1%、4位は「受験費用が会社負担ではないため」13.0%、5位は「受験したい資格の難易度が高いため」11.4%と続いた(図2)。
2位以下の回答を見ると、「資格を取得するメリットがないため(待遇や昇進などにつながらないなど)」と回答する割合も高い。時間をかけて資格を取得した結果、その分の努力が待遇や昇進など何らかの自己メリットにつながってほしいという心の内が見え隠れする。また、資格手当の有無なども重視するポイントとして挙がっていることから、資格取得への挑戦は会社による支援体制の有無も少なからず関わっているといえそうだ。
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