IT関連の資格取得状況(2018年)/後編:IT担当者300人に聞きました(3/3 ページ)
後編では、読者332人を対象に、「取得目的」「取得にかかる期間」「勉強方法」と現在注目する資格を尋ねた。資格を取得するのは「業務のため」か「自己メリットのため」か。また、今注目を集める資格とは何か。
今、一番注目を集める資格は何?
最後に今後取得する、しないに関わらず、今、注目するIT関連資格や検定についてフリーコメトで聞いた。フリーコメントで挙がった資格の一部を紹介しよう(表1)。
● | AWS関連資格 |
---|---|
● | Google関連資格 |
● | RPA関連資格 |
● | AIサイエンティスト/ストラテジスト |
● | 情報セキュリティスペシャリスト試験 |
● | CISSP(セキュリティプロフェッショナル認定資格) |
● | 登録セキスペ |
● | G検定(ディープラーニング関連検定) |
● | SIAM(サービス・インテグレーションとマネジメント) |
● | MCPCモバイルシステム技術検定 |
● | システム管理者認定 |
この回答結果について、大きく3つに分類できる。
1つ目はAWSやGoogle認定の各種資格に見られる「クラウド分野の資格」である。理由としては「AWS関連の知識を必要とする企業が多いため」「企業へコンサルティングサービスを提供する中で、AWSなどを利用したクラウド環境を検討するクライアントが増えため」といった声が多く、業務上で必要となるため、取得を検討する方が少なくないようだ。
2つ目は「セキュリティ分野の資格」だ。中でも「情報処理安全確保支援士(登録セキスペ)」に興味が集まり、より高度化し増加するサイバー攻撃に対し実践的なセキュリティ知識を身に付けたいと望む人が多いと考えられる。その他には「情報セキュリティスペシャリスト試験」や「CISSP」が挙がった。CISSPを挙げた理由として「国内だけではなく、世界的に認められる資格に注目したい」という声があった。
3つ目は「AI(人工知能)やデータ分析分野の資格」だ。日本ディープラーニング協会が運営する「G検定(ジェネラリスト)」や「E資格(エンジニア)」、IoT検定制度委員会が運営する「IoT検定」などが挙げられた。現在、IoT(モノのインターネット)やAIは企業での実用フェーズに移行しつつある。これからさらに企業活用が進むことで、AIやIoT関連の資格取得率も伸びると予想される。
今回の調査では、アンケート結果を通じて、IT関連資格の取得状況と傾向について説明した。最近は、ITの利活用のスピードも徐々に早まっている。IT活用の状況によっては、必要とされる資格や知識を求められる技術がその時々で変わる可能性もあるため、実業務で生かすために資格取得を検討する場合は、企業のIT活用動向にも目を向けながら考えたい。
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